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カテゴリー: 動物病院の経営
経営者の仕事としての組織論とは
Posted 2024年02月14日 by
先日、ある方が、「経営者は、優秀だが自分の組織に不適切な人を排除しても仕事が回るようにするのが仕事」と発言していた。
世の中、多様性と呼ばれ様々な人が活躍できるチャンスがあるが、組織が突き進もうとする中で、足並みを乱してしまう人は組織が壊れる原因にもなる。
軍人が、多様な人が集まっても、しっかりと作戦を遂行できるのは、過酷な訓練という、ふるい分けにより少なくとも精神面などでクリアした人が残る。つまり、多様性が画一化に繋がり組織がまとまっていく。
優秀な方でも、足並みを乱す人は組織の死に繋がるため、作戦に参加させないか、昔であれば失脚させてしまう事もあったようだ。
ビジネスにおいては、過酷な訓練は出来ないため、理念などで組織をまとめていくしかない。
そして、業務をどんなに優秀な人でも足並みを乱す人がいる場合は、早めに代わる人を見つける、もしくは、人材を育てていく。どうしても人材育成が上手くいかない場合は、機械やシステムに頼っていくか、アウトソーシングしていくという方法がとられていく。
落ち着いた時に、ぜひ組織のバランスを振り返っていただきたいと思う。
「平等」と「公平」のあいだに
Posted 2024年02月12日 by
動物病院のスタッフ様からヒアリングをしていると、「平等」と「公平」の違いを誤解されていると感じる。
辞書などによれば、それぞれ以下である。
平等…偏りや差別がなく、みな等しい事。全員に同じものを提供する事
公平…全てのものを同じように思う事。判断や処理などが偏っていない事。全員に同じ結果を提供する事。
この違いを理解しつつ、バランスを取ることはとても難しい。
飼い主様に対しても、組織の中でリーダーが下の子達に対して扱う事も同様である。
物を分配したり、何かのサービスを提供する場合、以下の3つ原理のどれかに当たる。
1.必要原理…必要としている人に多く分配する。
2.平等原理…結果や貢献度に関わらず均等に分配する。
3.公平原理…「結果を出した」「会社に貢献した」などに多く分配する。
「えこひいき」と不満を述べる方は、どうしても2の平等原理を求める。
実際、私の前職での会社でも、従業員から「生理休暇を有給休暇にしろ」という不満が出たことがあった。
自分がコントールできない生理に対して、無給扱いになるのはおかしいというのが意見だった。
そのような不満に対して、世界的に生理休暇をどういう扱いをしているか、世間の会社はどのように対応しているかを調べて、従業員に説明した。
従業員に対して、平等に扱いたいという想いがあるが、自分の会社が世間的に公平で正しい「公正」に対応したいと感じたからである。
ぜひ、「平等」と「公平」に迷った際は、「世間一般的な対応はどうか?」「どういう風に考えて対応しているか」を考えていただきたいと思う。
AI活用による可処分時間の最大化
Posted 2024年02月10日 by
北野です。
先日来、会員様と動物病院における
AI活用のアイディアを練っている。
まずはこんなことできたらよいね!
という全体像構想からではあるが、
各パーツは揃ってきている。
全体が繋がることができれば理想ではあるが、
まずは一定部分から始めることになりそうである。
最近ディスカッションした院長とは、
院長の代わりをAIにさせようという話になった。
AI院長である。
これはどういうことかというと、
院内のあらゆるルールや判断基準は
院長の頭の中にあり、
それをAIに置き換えようというものである。
つまり、院内で最大の情報排出機関である
院長の可処分時間を最大化しようという取組である。
院長の時間が増えれば、
より多くの取組に時間を費やすことが出来る。
AI 院長の登場による院長の時間効率化から
まずは始めていきたいと思う。
無意識にうごかされる消費者達
Posted 2024年02月02日 by
先日、あるハンバーガーチェーン店が、面白いキャンペーンを行った。
それは消費者に出店候補地を募集させ、賞金を出すというものである。
従来であれば、世帯数や過去の出店時のデータなどから、どれくらいの顧客が見込めるかなど細かいマーケティングリサーチを行ったり、候補地を探すなどの手間がかかる。
しかし、今回の取り組みは、ハンバーガーチェーンのファンを有効活用した、候補地が集まるだけでなく、それぞれの物件の投稿数から、ニーズも見込める。手間をかけず、コストも抑えて全てを満たせるキャンペーンである。
こういう消費者やファンを利用した施策は、ゲームとの相性がやはり良い。
10年前にスタートしたGPSを利用した陣取りゲームは、ユーザーが遊ぶ事で、より正確な地図を作ったり、ユーザーの特性情報を収集できた。
また、2,3年前には、マンホールの写真をユーザーが撮影して投稿するゲームが期間限定で誕生した。
これにより、従来であれば業者が1つ1つのマンホールを調査する必要があったが、ゲームによりマンホールの写真を迅速に集める事で、劣化状況を把握できる仕組みを作った。
このように、コストをかけずに消費者が無意識に自社にとって有効な情報を集めてくるマーケティングの施策はある。
弊社が提案するマーケティング施策でも、飼い主様のある心を利用し、動物病院の認知度をアップさせるものもあった。
ぜひ、今後マーケティング施策を考える際は、いかにコストをかけずに、そして消費者の心理を上手く利用したものを考えていただければと思う。
文化と規律
Posted 2024年02月02日 by
北野です。
先日、大規模病院様への視察にお伺いした。
過去に私がお伺いしてきた動物病院様の中でも、
特に完成度が高く、一緒にお伺いした院長方の満足度も非常に高いものであった。
内容については守秘義務の都合上、詳細には書けないが、
完成度の基盤となっているのは長年の組織文化作りにあると感じる。
まず、全員が口を揃えて絶賛されたのは、
院内のキレイさ、整理整頓などの、いわゆる5Sの徹底である。
この完成度が本当に高い。
飼い主様が立ち入るスペースはもちろんのこと、
従業員のみが過ごすスペースまでもが徹底されている。
男性用のロッカー室まで整理整頓されている光景はまるでモデルルームのようであった。
「整理整頓の秘訣は口を酸っぱくして言うこと」と言われていたが、
やり切る、継続する、拡げる文化作りを長年にわたって作られてきたことが
この病院様の強さであると感じた。
この文化の上に時流に適した新しい施策が随時実行される。
強い組織には強い文化がある。
文化の重要性を改めて感じさせていただいた。
利益向上に向けて
Posted 2024年01月12日 by
北野です。
会員様の院長先生と様々な目標設定を行うが、成長の定義を考え直すことがある。
売上向上なのか利益向上なのか、従業員数増加なのかなど、どういった数字に着目するかである。
一定レベルの規模感になると大幅な売上向上は難易度が高くなるため、売上向上と利益向上の2軸で検討することが多い。
そんな病院様で昨年末から取り組んでいるのが、原価率の改善や価格設定の見直しである。なお、価格設定の見直しとは単なる値上げではなく、適切な価格に変更するということである。
これを行うにはまず仕入れデータを入手し、品目毎に集計、仕入れ価格の推移や自院の価格改定状況の確認などを行っていく。
数件の会員様で実施しているが、知らぬ間に仕入れ価格が上昇しており、価格転嫁できていない項目が実は多い。少なくて全項目の3%程度、多いと10%程度が改定されていない。
赤字になることは無いが、利益率は低下していっている。価格を改定して昨年の件数の売上があったなら?と再計算すると、それなりの数字が出てくることになる。
特に規模感が大きな病院様ほど、価格改定による利益改善インパクトは大きくなる。
これら一連の取組はかなりの作業量を要するため、実施のハードルはかなり高い。しかし、一度整理して価格設定のルール化を行うと中長期に改善し続けることが可能となる。
自院の価格について再度考えていただきたい。
某生命保険会社の賃上げニュースで思う事
Posted 2023年12月19日 by
某生命保険会社が来年度に7%程度賃上げを検討しているというニュースがありました。
どの業界も人材不足という時代の中で、賃金面で人材の確保や維持の狙っております。
賃金に関しては、我々もスタッフさんと面談を行っていると、まず出てくる不安や不満に挙げられる事です。
なかには、「自分たちは手術や雑用など、院長と比べて沢山の業務をやっているのに、こんなに給与が低いのはおかしい」という意見の聞いたこともあります。
昨今、値上げや税金が増えているなど切迫している状況を踏まえると、そのような意見が出てくる気持ちも分からなくもありません。
ただ、私自身、そういったスタッフさんに抜けていると感じることは、「自分たちが給与をもらえる環境を作っているのは、誰か?そして、全ての責任を負っているのは、誰か?」という視点です。
動物病院を開業したり、経営する上では、お金が必要になります。
銀行から借りたお金を返済する責任は、経営者である院長ですし、仮に売上が悪くて赤字になっても、身銭を削って給与を支払うのも院長です。
世の中には、「人からお金をもらう額=責任の重さ」という考えもあります。
院長含め上に上がる人ほど、求められる結果や負っている責任はとても大きくなります。
給与アップを求めるスタッフさんには、任される責任が増えるよう、日常業務を問題なくこなすなど信頼を増やしていく事を心がけていただければと思います
「報・連・相」は古い?新たなキーワードとは
Posted 2023年12月18日 by
社会人として「報・連・相」は、どんな企業や動物病院に就職しても、口うるさく言われるほど当たり前の言葉です。
しかし、時代の流れによって、ここ数年「報・連・相」から、変わりつつあります。
もともと「報・連・相」は、組織の上下をつなぐ重要な役割をしていました。
・指示した業務がどこまで進んでいるかの把握
・物事が問題なく進めるための確認
・把握していない課題の発見
などです。
「報・連・相」は、同調圧力や集団行動を好む日本人にとっては、とても良いものでした。
しかし、一部、時代にそぐわないところが出てきました。
「報・連・相」の「相」の部分です。
相談は大事ですが、自分で解決策などを考えず指示待ち人間が増える、新しいアイデアが生まれないという点です。
この傾向は、特にトップダウンを行っているところが強くなります。
また、組織の人数が増えていくほど院長やリーダーへの負担が大きくなります。
そういった事を防ぐため、数年前から「かくれんぼう(確・連・報)」へ変わりつつあります。
「こういう問題が発生しました。解決するために、こういう事をしたいと思いますが、よろしいですか」という「確認」に対して、院長やリーダーが判断する。
これにより、スタッフ一人一人の自分たちで解決策を考える事を促すようにしていく事が出来ます。
指示待ち人間が多くて困るが、相談なく勝手にやられても困るという動物病院様は、少しやり方を「かくれんぼう」に変えてみてください。
なぜジャイアントキリングが起こるのか
Posted 2023年12月08日 by
バスケットボール日本代表がオリンピック出場が決まった時、ある会社のトップの方と、なぜジャイアントキリング(大番狂わせ)が起こるのかという話になりました。
日本ではBリーグというプロバスケットのリーグがありますが、FIBAランキングでは26位と、強い国とは断言しにくい部分があります。
でも、なぜ日本代表は18点差を逆転勝ちしたり、残り8分で15点差を逆転勝ちできたのか?
それは、最後まで諦めず、そして勝つという執念ではないかという事でした。
「精神論か」と拍子抜けされる方もいらっしゃるかもしれませんが、想いや大事だと感じる場面が多々あります。
何をしても上手くいかない、周りから口撃をされる、見下されたりなど辛い中で、一生懸命やったことで報われるというケースを見たことがあります。
我々がお伺いし、話をさせていただいている院長先生の中でも、年をとったり、怪我や病気で気持ちが落ちている方がいらっしゃいます。
でも、気持ちが落ちている話をしながらも、心の奥底では、立ち上がろうという燃える想いを言葉の端々から感じる事があります。
若い頃から、ずっと全力で走り続けた結果、体を壊した
一生懸命診察をしたのに、口コミで悪口を書かれてしまった
などなど様々な話を聞きます。
今は少し落ち着く時かもしれませんが、ぜひ再度立ち上がっていただき、ジャイアントキリングを起こしていただきたいと想います。
「サリーとアン課題」解けますか?
Posted 2023年11月29日 by
心理学の検査に「サリーとアン課題」というものがあります。
この検査は、5コマの漫画を読んで問題に答える簡単なものです。
物語を簡単に書きますと以下のようになります。
1.サリーとアンという二人の女の子がいる。
2.サリーは、自分が持っているボールをカゴに隠して、部屋を出ていきます。
3.アンは、サリーが出て行った後に、ボールをカゴから箱に移します。
問題は、サリーは部屋に戻ってきた時、ボールをカゴと箱どちらを探すでしょうか?
というものです。
この検査は、元々は発達障害児(自閉症児)の思考を理解する検査で、他者の気持ちを想像できるかどうかを見ています。
実は、最近この検査について某SNSで記事が投稿され、話題になりました。
この問題が解けない方、もしくは問題はできるが、実生活で同じような場面に遭遇した時に、間違った行動をしてしまう方が多々いらっしゃるようです。
つまり、自分視点と相手視点の違いが分かっていなかったり、自分が知っている情報を相手も当然知っていると思っていると無意識に考えて行動される方が多々いらっしゃるようです。
今回のSNSの投稿には、様々な意見が出ており、とても興味深いものでした。
ぜひ、「サリーとアン課題」を挑戦してみてください。
実際の検査の問題は、こちらでみれます。
https://x.gd/Snu31
そして、実生活で同じような場面に遭遇した時、間違った行動をしていないか、振り返っていただくと良いと思います。
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