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カテゴリー: 経営計画策定
改革に潜むチェンジモンスター
Posted 2024年09月25日 by
「チェンジモンスター」とは、社内を改革を行おうとしている中で、改革を妨害したり、かき回したりする、人間的・心理的な要因の総称である。
某外資系コンサルティング会社が20年以上前に発表した記事に書かれていたものであるが、今も多くの経営者に読まれていると聞く。
一部、今の時代に合っていない部分もあるかと思うが7種類のチェンジモンスターが存在する。
今回、動物病院業界でよく見るチェンジモンスターを3種類紹介したい。
※元々の記事と定義が異なる部分があるがその点はご了承いただきたい。
『カコボウレイ』…
かつての経営トップが手掛けた事業や業務など、どんなに業績が悪くても議論できない。
『ミザル・キカザル・イワザル』…
掛け声だけでやっても損と思い、3匹セットになって「見ざる・聞かざる・言わざる」を通す。
『ノラクラ』…
さまざまな言い訳を出して、改革を回避したり進まないようにする。
これらチェンジモンスターを退治するには、以下の3つがある。
1.モノサシの明確化
病院の業績を評価するモノサシが、本来目指す目標より低く設定されている事が課題である。
モノサシを業界に合わせた場合、成熟産業だから業界全体も悪ければ、自院の業績が悪くても許される事が発生する。
しかし、成熟産業でも工夫を行う事で伸びている病院もある。そのため、業界全体が悪い事は言い訳にならない。そのためモノサシを業界だけでなく広い視点で見るなどが必要になる。
2.改革についてコミットさせる
改革を行うには、長年放置されていた事に対して手を入れる必要がある。
人員や業務の整理など行わないいけない事が多々ある。
社内慣行や情に流されることなく改革を断行するコミット・覚悟がないと改革は成功しない。
3.改革へのインセンティブ
改革を行う事は、大変かつハイリスクな事である。
改革を行うリーダーやチームメンバーは、通常業務の延長線上に作業を行う事になる。
そのため、通常の業務と同じような人事評価で行う事は、彼ら彼女らにとって「ハイリスク・ローリターン」になってしまう。
そのため改革を成功した際は、ハイリターンにするなど人参をぶら下げる必要がある。
改革を進める事は、他から嫌われる事やモチベーションの維持が難しい事など多々ある。
ぜひ、改革のチーム作りや仲間を見つけて実行していっていただきたい。
書く効用
Posted 2024年01月05日 by
北野です。
年末年始に様々なセミナーを受講する中で、
多くに共通した学びは、「書くことの重要性」であった。
社会構成主義という考え方があり、
「社会の様々な事象は人々の頭の中で作り上げられたもの(認知)であり、それを離れて社会は存在しない」
というものである。
つまりは脳内の思考が自身の行動に繋がっているという考え方である。
脳内の思考を変えるには何が有効かというと、
書く・描くという行動であるという。
日本には古来から目標を書き初めするという風習があるが、
これは理にかなった古来からの文化だと感じる。
また書く・描くという行為は、
スマホやパソコンに入力する行為と異なり、
より脳内に具体的なイメージを描ける方法だという。
不透明な時代になりつつある中で、
今年の目標達成に向けては、
書く・描くということを大切にしていただきたい。
短期中期長期
Posted 2023年05月01日 by
北野です。
経営相談などで漠然とした将来不安を口にする方も多い。その結果、何をやればよいのか、よく分からなくなっていると。
こういう時にお勧めしているのは、
・ありたいこと
・やりたいこと
・やらねばならぬこと
の整理である。
ありたいことは長期的な課題
やりたいことは中期的な課題
やらねばならぬことは短期的な課題
と言い換えることもできる。
様々な課題を3つに整理していきながら、すごく近くにある課題(短期的)と、すごく遠くにある課題(長期的)の両方を大事にしていきたい。
なぜならその間にある中期的なことはなかなか思い通りにならないからである。
人の採用を例にとると、
従業員の労働環境を改善したい(長期的)
そのために人員を採用したい(中期的)
求人媒体に求人掲載をしたい(短期的)
となる。
長期的な想いを大切にしつつ、短期的な行動をキッチリとやり切ることはできるが、中期的なことはなかなか思い通りにはいかない。
ただし、長期と短期を大切にするからこそ、中期も実現可能性が高くなる。
迷いが生じた場合には、こういったように考えていただきたい。
組織が変わるとき
Posted 2023年05月01日 by
北野です。
ある会員様では、選抜メンバーによる戦略チームを作り、このチームを中心とした経営改善を行っている。
年始からスタートし四半期が経つが徐々に良い効果が見られてきた。実際に売上や来院数なども昨対比で130%などと結果も出てきている。
今回はそんなチーム作りを紹介したい。
(1)圧倒的当事者
戦略チームミーティング最初には、
・自分達は与党であること
・正しいサイクルを意識すること
を毎回確認している。
これもあってか、外来状況などへの数字を意識するメンバーも増えてきており、自分達が主体的にやるんだという気持ちが芽生えてきている。
(2)数字の具体性
チームメンバーには、売上や外来数など基本的な数字から弊社での分析報告など、あらゆる数字を見せている。
このように数字という目に見える具体性があることで、より主体的になってきていると感じる。
(3)チームの力
選抜メンバーだけあって元々ポテンシャルはあるが、チームになっていなかったことにより、力が分散していたように見受けられる。
チーム化により、意識統一も進んできており、よい相乗効果が生まれてきていると感じる。
(4)短時間集中型
チームミーティングは約1.5時間と短時間集中型で行われる。前にも後にも別の予定があるために延ばすことができない。
時間制限があることで、この時間で何とかするんだという気持ちが芽生えてきている。
(5)実行スピード
何をいつやるか、ということをその場で決めている。また別に時間をとって話し合いましょうは原則無い。
小さな取組であっても、何かをすぐに実行することで実行癖をつけられるようになってきている。
まだ四半期のみの取組であるが、メンバーのポテンシャルもあってか、病院に活気が出てきている。
前回紹介した定例化と合わせて取り組んでいただきたい。
楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
Posted 2023年04月13日 by
楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する。
この言葉は、京セラや第二電電(現KDDI)の創業者である稲盛和夫氏の言葉です。
成功するためには、楽観的な発想力を持ちながら構想を練り、しかし現実的な目線で悲観的な計画を立てることが重要です。
楽観的な発想力は、新しいアイデアを生み出すために欠かせないものです。
しかし、それだけでは十分ではありません。現実を直視し、可能なリスクや障害を想定しなければ、計画した取り組みはうまくいきません。
そこで、現実的な目線で悲観的な計画を立てることが必要になります。これによって、想定される問題に対して準備をし、リスクを最小化することができます。
計画に潜む問題点を見つけ、それに対して改善策を練ることが、プロジェクトを成功させるためには非常に重要です。
しかし、計画だけでは何も実現されません。計画を実行するためには、再び楽観的な姿勢を持つことが必要です。
困難に立ち向かい、失敗しても立ち上がり、前進していくことが求められます。成功への道は決して平坦ではなく、多くの障害が待ち受けています。しかし、楽観的な姿勢を持ち続け、挫けずに前進することが、成功につながるのです。
新たな取り組みを行う際には、構想の段階で
「時間がない」「○○がないからできない」など悲観的な意見が先行しがちです。
そこは楽観的な思考でどうすれば成功するのか考えてみましょう。
失敗循環モデルと成功循環モデル
Posted 2022年11月23日 by
古い組織に新しい風を吹き込むステップとして、MIT元教授のダニエル・キムが提唱した「成功循環モデル」を基盤として進めることをおすすめします。
成功循環モデルでは、組織を4つの質で捉えます。周囲との関わり方やコミュニケーションといった「関係の質」が高くなると、自然と考え方も前向きになり、目的意識が高まって「思考の質」が上がります。それが人々の積極性や主体性といった「行動の質」を高め、成果が生まれて「結果の質」につながります。すると、ますます関係の質が高くなる、といった循環を指しています。
成功循環モデルと失敗循環モデルでは、サイクルの流れは同じですが、起点が異なります。
【成功循環モデル】
①関係の質:対話からはじめる。率直にに話し合う場を作り、信頼関係を築く
②思考の質:前向きな気持ちになり、いいアイデアが生まれる
③行動の質:一人一人が自律的に行動し、問題が起きたら助け合う
④関係の質:組織への帰属意識が高まり結束が深まる
【失敗循環モデル】
①結果の質:無理に結果を上げようとすると、人への強制が増えていく
②関係の質:メンバーにストレスがかかり、人間関係が悪くなる
③思考の質:疑心暗鬼になり、結果以外にことに無関心になる
④行動の質:短期的な成果づくりに走り、メンバー間の協業も少なくなる
⑤結果の質:パフォーマンスが落ち、さらに予算必達の圧力が高まる。
組織が良くなることで、業績が上がる、業績が上がることで、組織がさらに良くなる、という理想的な成功循環モデルを回すためには、普段忘れられがちな関係性の質の向上がキーとなります。
キャンペーンの効果を高めるために
Posted 2022年11月21日 by
北野です。
健康診断以外にもデンタルやスキンケア、
フードキャンペーンなど、
動物病院では様々なキャンペーンを実施する。
そういったキャンペーンをする際には、
何をどのように勧めるか、
を考えていく必要がある。
通常キャンペーンは、
単品として比較的高額な1つのメニューを
割引などをするタイプか、
低価格メニューをフックとして、
関連する本メニューを後から推奨するタイプ、
などバリエーションがある。
件数獲得を目指したい場合や、
いますぐの必要性を感じにくいメニューを
推奨する場合には、
後者を選択していくことになる。
低価格メニューをフロントエンド、
本メニューをバックエンド、
と呼ぶことが多い。
フロントエンドのみしか準備しておらず、
バックエンドが無いことも多い。
キャンペーンの目的を売上増にもとめるなら、
フロントエンドとバックエンドの設計が
欠かせない。
また、飼い主と病院とで、
どの接点でどの媒体でどの情報を出すか、
それらもしっかりと検討しておくことで、
より訴求力の高いものになっていく。
商品設計と情報発信設計の2つを
的確に組み合わせることで、
飛躍的に効果が高まっていく。
キャンペーンを考える際に、
改めて設計を考えていただきたい。
手段と目的
Posted 2022年11月10日 by
北野です。
前回のブログでもお伝えしたように、
企画などを実行する場合は、
スピードを上げることが重要になってきている。
時間をかけて、100%に近い完成度に仕上げて実行するよりも、
40%程度の状態でも早く実行することが求められる。
動物病院業界においては、
この考え方に難色を示す方が多い。
それもそのはず、診療自体に間違いが許されないため、
病院で行う企画についても同様の感覚を持つ方が多い。
そのため、スピードよりも質を重視することになる。
ただし、ここで考えていただきたいことがある。
それは、その企画は何を目的として行うかということ。
病院で行う企画などは何らかの目的のために行っている。
企画は、あくまでも目的を達成するための手段である。
目的を達成するためには正しい手段を選ぶ必要があるが、
不確実な時代には、正解が過去の成功体験上にはないことも多い。
そのため、時間をかけて準備した企画が不発に終われば、
取り戻すためにはより大きな成果が必要となる。
その点、小さく早く実行すれば、
途中での方向修正や、違う企画の実行など、
リカバリーが効きやすく、より成功確率が高まることになる。
ぜひ、手段と目的を分けることを意識していただきたい。
競争と共争
Posted 2022年10月22日 by
北野です。
JBVPの特別プログラムにて、「日本から犬猫がいなくなる?どうなる伴侶動物医療」 という講演がある。
申込み済で未視聴の場合にはぜひご覧いただきたい。3部構成で、第1部の視聴期限は今月中までとなっている。
詳細は割愛するが、タイトルのように今後の飼育頭数の見通しについての講演であった。
我々もセミナーでお伝えしているが、2023年頃を境に高齢動物の来院が減少し始める。既に会員様でも死亡頭数が過去最高水準となってきているところもある。
この流れは止めることはできず、自院単独で対応するか、周囲と協力して対応するかを考えていく必要がある。
これは自院の地域のポジショニングによって変わってくる、地域1番病院の方針、2番手の方針、3番手以下の方針など様々である。
周囲と協力して共争する取組を始めている会員様もいる。ポジティブに未来を見据えて対応策を検討していただきたい。
現状を直視する
Posted 2022年09月23日 by
北野です。
色んな規模の病院様のコンサルティングを行っているが、規模が大きくなるにつれて経営推進のために、組織の作り方を考えていく必要がある。
大きくは専業型と兼業型とに分けられる。経営推進部門を前者は経営企画室などとして専業人員を設置すること、後者は獣医師兼など二足のワラジを履かせるというものである。
それぞれにメリットデメリットはあるのだが、現実論として後者を選ぶ場合が多い。この場合では、経営情報の共有化と的確な現状把握が欠かせない。
トップが意思決定した事柄を上手く浸透させるには「なぜやるか?」への腹落ちが必要となる。
経営状態が良いときは、
(1)未来目標
経営状態が悪いときは、
(1)現状の直視
(2)具体的な実効策とプロセス
等を伝えることが良いと考える。
先日も少し業績が下がっているクライアント様の幹部ミーティングにて、現状の経営数値について報告した。どの数字がどう影響していそうかを、現状と未来予測を交えてお伝えした。
参加者の中には、具体的数字を知って現場イメージが変わった人もいるであろう現実を知ったメンバーが腹落ちして、行動できればより推進力が高まっていく。
自院の経営状況に応じて取り組んでいただきたい。
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