- ホーム
- 動物病院経営においてターゲティングが必要である理由
カテゴリー: 北野
動物病院経営においてターゲティングが必要である理由
Posted 2026年03月06日 by
マーケティング・採用面で「ターゲティング」の重要性が急速に高まってきていると感じます。これまでの動物病院は、地域に住む犬や猫の飼い主様を幅広く診療する「地域のかかりつけ病院」という位置づけが一般的でした。しかし、現在は動物医療を取り巻く環境が大きく変化しており、従来のように「誰でも対象とする診療スタイル」だけでは、マーケティング面でも採用面でも十分な訴求力を発揮することが難しくなっています。こうした背景から、「誰にどういった価値を提供する病院なのか」を明確にするターゲティングが、経営戦略としてますます重要になっているのです。
まず一つ目の理由として挙げられるのは、動物病院市場の競争環境の変化です。日本では動物病院の数は増加傾向にある一方で、犬や猫の飼育頭数は長期的には減少傾向にあります。特に都市部では、一定の地域内に複数の動物病院が存在することも珍しくありません。このような環境では、「近くにあるから通う」という理由だけで病院が選ばれる時代ではなくなってきています。飼い主様は、診療内容や専門性、医療方針、設備、口コミなどを比較しながら、自分の価値観に合った病院を選ぶようになっています。そのため、「どのような飼い主様にとって価値のある病院なのか」を明確に打ち出すことが重要になります。
二つ目の理由は、飼い主様の情報収集行動の変化です。インターネットやスマートフォンの普及により、飼い主様は症状や病気について事前に調べてから動物病院を探すことが一般的になりました。例えば「犬 しこり 病院」「猫 腎臓病 専門」「犬 心臓病 動物病院」といったように、症状や病気に基づいた検索が多く行われています。このような検索行動の変化に対応するためには、「幅広く診療しています」という表現だけでは十分に情報が届きません。「腫瘍診療に力を入れている」「高齢犬の慢性疾患管理に強みがある」など、明確なターゲットを設定し、そのターゲットに向けた情報発信を行うことが重要になります。
さらに、近年では生成AIの登場により、医療情報の検索環境が大きく変わりつつあります。AIを活用した検索では、「専門性」や「特徴」が明確な施設が紹介されやすい傾向があります。つまり、「地域の動物病院」という曖昧な情報よりも、「腫瘍診療に強みを持つ動物病院」や「猫の診療に特化した動物病院」といった明確な特徴を持つ病院の方が、AIによる検索結果にも表示されやすくなるのです。今後はAI検索がさらに普及すると考えられるため、ターゲットを明確にした情報発信の重要性はますます高まっていくでしょう。
三つ目の理由として、動物医療の高度化・専門化が挙げられます。現在の動物医療では、腫瘍科、循環器科、皮膚科、眼科、歯科、神経科など、多くの専門領域が発展しています。こうした医療の専門化が進む中で、飼い主様の中にも「専門的な診療を受けたい」というニーズが増えてきています。そのため、病院がどの分野に強みを持っているのかを明確にすることは、飼い主様にとっても病院を選ぶ重要な判断材料になります。
また、ターゲティングは採用面においても大きな意味を持ちます。近年の獣医師や動物看護師の就職活動では、「どのような医療を学べるか」「どのような理念の病院か」といった点が重視される傾向があります。例えば、腫瘍医療に興味のある獣医師は腫瘍診療に力を入れている病院を探しますし、予防医療や地域医療に関心のある人材は、その分野を重視する病院に魅力を感じます。つまり、病院のターゲットや方向性が明確であるほど、その理念に共感する人材が集まりやすくなるのです。
また、新卒・第2新卒、特定科目を学びたい・時短勤務で働きたいなど、求職者の状況や新しい職場に求める要素なども大きく異なってきていますので、「新卒向け」や「中途向け」などのような一括りの求人メッセージでは価値が届きにくくなってきています。ミスマッチを減らし、訴求力を高めるためにもターゲティングは重要であるといえるでしょう。
さらに、ターゲティングは経営資源の集中という観点からも重要です。動物病院の経営資源には限りがあります。設備投資、マーケティング費用、人材育成などをすべての分野に均等に配分することは現実的ではありません。ターゲットを明確にすることで、限られた資源を特定の分野に集中させることができ、その分野で強みを築くことが可能になります。その結果、病院のブランド形成にもつながっていきます。
ブランドとは、「〇〇の病院」と認識されることです。例えば「猫の診療に強い病院」「腫瘍診療を得意とする病院」「高齢犬の医療に力を入れている病院」など、明確なイメージが形成されることで、飼い主様の記憶に残りやすくなります。このようなブランドは自然に生まれるものではなく、ターゲティングに基づいた戦略的な取り組みによって形成されていくものです。
このように、動物病院経営においてターゲティングが重要とされる理由は、競争環境の変化、飼い主様の検索行動の変化、医療の専門化、AI検索の普及、採用環境の変化など、さまざまな要因に基づいています。今後の動物病院経営においては、「どのような医療を提供する病院なのか」「どのような飼い主様に価値を提供するのか」を明確にし、そのターゲットに対して一貫した情報発信と医療提供を行うことが、持続的な成長のための重要な鍵になると言えるでしょう。
差別化要因としての「相性」
Posted 2026年02月13日 by
北野です。
動物病院の数が増え、地域によっては競合状況が厳しさを増しています。規模感や設備(医療機器など)、獣医療技術による専門性といった要素は、以前ほど差別化の武器になりにくくなり、同質化が進みつつあります。その結果、「どこも良さそうに見える」「結局何で選べばいいか分からない」という状況が生まれ、新たな差別化要因が求められています。
飼い主様が動物病院探しに求めるものとして、安心や信頼が挙げられます。しかし、実際のところは通ってみるまで分からない、というのが本音ではないでしょうか。ホームページで理念や診療方針を読んでも、院内の空気感、説明の丁寧さ、治療の進め方、スタッフの距離感などは、来院して初めて見えてくる部分が多いからです。つまり、飼い主様が本当に欲しいのは「うちの子に合う病院かどうか」「自分たちに合う病院かどうか」という相性の確信です。来院前にその相性の良さを感じてもらえれば、同質化した競争環境の中でも選ばれる確率を高めることができます。
そこで重要になるのが、「相性」という要素をどのように分解し、伝えるかという設計です。相性は曖昧な言葉に見えますが、実は分解していくと、飼い主様が判断できる具体的な要素に落とし込めます。例えば、説明スタイルの相性があります。丁寧に時間をかけて説明してほしい方もいれば、要点を端的に知りたい方もいます。選択肢を並べて一緒に決めたい方もいれば、先生主導で迷わせずに提案してほしい方もいます。意思決定の相性も重要です。検査をしっかり行って原因を突き止めたい方もいれば、必要最小限で負担を抑えたい方もいます。エビデンス重視か、生活背景重視かでも、納得のポイントは変わります。
さらに、コミュニケーション相性として、不安に寄り添ってほしいのか、合理的に進めてほしいのか、ユーモアがある方が安心するのか、静かに落ち着いて進めたいのか、といった違いがあります。診療体験相性としては、待ち時間の許容度、予約を重視したいか、スピード重視か、院内の刺激(音・匂い・他の動物)への敏感さなどが直結します。価値観相性では、延命をどこまで望むか、QOLを優先するか、予防や健康管理への熱量、費用への考え方などが関わります。ペットの気質相性も忘れてはいけません。怖がり、攻撃性、多頭、シニア、持病ありなど、病院側の得意な接し方やオペレーションが合うかどうかが満足度を左右します。
この「相性の型」を先に作っておくと、WEB施策も紹介(リファラル)施策も一本の線でつながります。ポイントは一貫して、相性を言語化し、相性を診断できる形にし、相性が伝わる証拠(ストーリー)を用意し、相性が合う人が集まる導線を作ることです。
同質化競争が進む中においては、「相性」をどのように伝えるかを考えてみるのはどうでしょうか?
リファラルマーケティング
Posted 2025年12月15日 by
北野です。
最新セミナーでも紹介しましたが、今後の動物病院におけるマーケティングで重要だと考えているのが、「リファラルマーケティング(紹介マーケティング)」です。新規獲得策が難しくなっている背景を踏まえて、“信頼できる人からの紹介”というシンプルで強力な行動誘導が、大きな成果をもたらすと考えて活かす。
リファラルマーケティングと連なる考え方に、特にサービスの成長段階を表す「AARRR(アー)モデル」というものがあります。このモデルは、Acquisition(獲得)→Activation(活性化)→Retention(継続)→Referral(紹介)→Revenue(収益)という5段階で構成されています。
つまり、リファラルが実現しているということは、サービスや商品がすでに「顧客に支持されている状態」に達していることを意味します。そして、紹介が起これば、収益化(Revenue)という最終段階への移行もスムーズになります。
リファラルマーケティングの本質は、関係者すべてが“得をする”仕組みにあります。紹介をする側、紹介される側、そして病院側の三者がWin-Win-Winになることが重要です。
紹介者にとってのメリットは多岐にわたります。まず、自身が選んだ商品を人に紹介し、その人が喜んでくれることで自己肯定感や満足感が高まるという点。そして、紹介される側との関係性も深まります。インセンティブ(特典)を紹介者とゲストの双方に提供すれば、紹介のハードルもぐっと下がります。
ゲスト側にも明確なメリットがあります。信頼している知人からの具体的な体験談が得られ、選択への不安が軽減されるからです。さらに、紹介経由の限定特典があれば、「せっかくなら紹介から」という気持ちも自然と生まれます。
リファラルマーケティングにはいくつかの型がありますが、代表的なものにインセンティブ式とアンバサダー式があります。
インセンティブ式は、紹介者とゲストの双方に特典を提供するもっともポピュラーな方法です。特に、紹介者がユーザー本人である場合に強力な効果を発揮します。「紹介者:1000円分のポイント」「ゲスト:初回購入10%オフ」のような形で、紹介の動機を明確にすることがポイントです。
一方、アンバサダー式は、紹介実績のある顧客を「ブランドの応援団」として公式に任命し、継続的に紹介活動を依頼する方法です。報酬としては、限定イベント招待や新商品の先行体験、称号の付与など「名誉性」に訴える形が効果的です。ときには、アンバサダー同士がコミュニティを形成し、新たな紹介の連鎖を生むこともあります。ネスレの「ネスカフェアンバサダー制度」などはこの好例です。
「1:5の法則」「5:25の法則」に象徴されるように、新規顧客の獲得には既存顧客の維持に比べてはるかにコストがかかります。だからこそ、既存顧客との関係を深め、信頼関係の中から紹介が生まれる仕組みを整えることが、長期的な成長戦略として最も健全です。
リファラルマーケティングとは、単なる「紹介キャンペーン」ではなく、顧客との関係性を軸にした“信頼の延長線上にある取組”です。これからの時代、顧客が顧客を連れてくる仕組みを整えることがの成長力を左右する鍵となっていくと考えています。
カルチャーブックのすすめ~思いが伝わる組織づくりの第一歩として~
Posted 2025年11月12日 by
北野です。
動物病院が成長し、スタッフの人数が増えてくると、どうしても起こりやすくなるのが「院長の思いが伝わらなくなる」という問題です。少人数の頃は、毎日のように顔を合わせ、自然な会話の中で考え方や価値観が共有されていました。しかし、スタッフが10名、20名と増えてくると、口頭のみの伝達では限界が出てきます。
本来であれば、院長から管理者へ、そして管理者から現場スタッフへと、病院の理念や価値観が階層的に伝達されるのが理想的な形です。しかし、現実には「伝言ゲーム」のようになってしまい、言葉が変わってしまったり、都合の良いように解釈されたりすることも少なくありません。
「ホスピタリティを大切にしていきたい」と院長が心から願っていても、現場でスタッフがそれに反する行動をとってしまうと、非常に残念な気持ちになるものです。決して悪気があるわけではなく、ただ何が良いことなのかどんな振る舞いが望ましいのか”が十分に伝わっていないだけなのです。
この「伝わらない問題」の根本的な原因のひとつは、これまでの伝達手段が口頭に頼りきっていたことにあります。言葉は一瞬で伝わる反面、記録が残らず、時間と共に解釈がズレていきます。特に管理者が複数いたり、シフトで顔を合わせるタイミングが限られていたりすると、情報のバラつきはより顕著になります。
そこで今、私たちがご提案しているのが、「カルチャーブック」という手法です。
カルチャーブックとは、単に経営理念やクレドを書き連ねた資料ではありません。院長の思いや価値観を起点に、病院として大切にしていることを“行動レベル”で具体化し、スタッフ全員が共有できる形で文章化したものです。
病院の中には、すでにクレドや行動指針が存在しているところもあるかもしれません。しかし、それがただ「見たことがある」「掲示されているだけ」で終わってしまっていては意味がありません。実際には日々の業務の中で活かされず、存在意義が薄れてしまっているケースも多く見受けられます。
一部の動物病院では、理念の重要性を再認識し、朝礼で理念の唱和を行う取り組みがなされてきました。しかし、近年では「忙しさ」や「若手スタッフとの温度差」、「勤務時間の管理の難しさ」などを理由に、こうした活動が縮小・廃止される流れも見られます。
こうした背景のなかで、カルチャーブックは理念を形式的に繰り返すのではなく、“どう活かすか”に重きを置いた実践型のツールとして活用いただきたいと考えています。
カルチャーブックの中では、次のような情報が盛り込まれます:
- 院長が大切にしている価値観や思いの背景
- その価値観を体現するために設けられている制度や運用の紹介
- 実際のケーススタディを通じて、「このとき、どんな対応が望ましいか」を具体的に示す
たとえば、「新人スタッフがミスをしたとき、先輩がどう声をかけるべきか」「飼い主様のクレームに対して、どう対応すれば“当院らしい姿勢”になるのか」といった日常に即した例を用いて、考え方と行動の接続を行っていきます。
こうしたケーススタディの積み重ねは、ただのマニュアルではなく、自院らしい文化を育てていく教科書のような存在になることを目指しています。
また、カルチャーブックを作る過程そのものにも価値があります。院長が改めて自分の思いを言語化し、スタッフと共有するプロセスは、病院の「あり方」を見つめ直す貴重な時間になります。そしてそれが、現場の行動に落とし込まれていくことで、スタッフのモチベーション向上や患者様との信頼関係の強化につながっていきます。
もちろん、カルチャーブックは一度作って終わりではありません。病院の成長や時代の変化にあわせて、少しずつアップデートしていくことが大切です。むしろ、継続的に見直していくことが、組織としての柔軟さと一貫性を保つカギとなります。
これからの動物病院経営において、「誰が言ったか」ではなく、「何を伝えたか」「どう共有されたか」が問われる時代になると考えます。。スタッフ一人ひとりが、バラバラではなく、共通の価値観のもとで動けるようにするために、カルチャーブックというツールを活用してみてはいかがでしょうか。
思いが届く組織は、自然と強く、温かくなっていきます。そうした未来を描く第一歩として、理念の可視化と共有に、今こそ本気で取り組むタイミングかもしれません。
“情報提供型”アプローチ
Posted 2025年06月16日 by
北野です。
これからの動物病院経営において、重要なキーワードのひとつが「関係性構築」であると考えている。
従来のように、症状が出てから病院を受診する「治療型」だけではなく、
病気になる前の段階で飼い主に異変へ気づいてもらうために“情報提供型”のアプローチが必要だと感じている。
たとえば、梅雨の時期に多くなる皮膚トラブルや外耳炎。
湿度の高い環境は菌の繁殖に適しており、気づかぬうちにかゆみやにおいの原因となっていることがある。
こうした季節ごとの特徴を踏まえた情報を、適切なタイミングでわかりやすく発信していくことで、
「あれ?うちの子も少し耳をかゆがっているかも」といった飼い主の“気づき”を引き出すことができる。
大切なのは、こうした情報発信がキャンペーンや商業的プロモーションの延長ではなく、
日常の延長線上にあることだ。
押しつけがましい表現ではなく、あくまで「役に立つ生活情報」のように自然に届ける。
この姿勢が、動物病院に対する信頼の醸成につながる。
たとえば
「この季節はこういう症状が出やすくなりますよ」
「こうしたお手入れをしておくと予防になりますよ」といったアドバイスを、
LINE配信や院内掲示、ブログ記事として提供することで、
飼い主の安心感や「この病院はちゃんと考えてくれている」という信頼感を育むことができる。
情報発信は単なる告知ではない。
病気のリスクを減らし、ペットの健康寿命を延ばすための“啓発活動”であり、
飼い主との継続的な関係性を築くための大切な手段である。
治療ではなく予防、売り込みではなく共感。
この姿勢こそが、これからの動物病院が地域に根ざし、
選ばれ続けるための基盤となる。
今後の動物病院は、単なる診療の場ではなく、
ペットと暮らす生活を支える“情報のハブ”であるべきだ。
その実現のために、日常に寄り添う情報発信を続けていくことをお勧めする。
飼い主様の声の重要性
Posted 2025年05月16日 by
北野です。
最近、会員様で、動物病院の情報発信において「飼い主の声」を活用する取り組みを強化している。
単なる口コミの収集にとどまらず、より戦略的な意味を持たせた“声の活用”を強化している。その目的は大きく分けて2つある。
1つは検索エンジン対策(SEO)としての活用。多くの飼い主が動物病院を探す際にGoogle検索を利用しており、Googleが重視する評価基準「E-A-T」—専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)—への対応は欠かせない。
さらに、2022年12月には新たに「経験(Experience)」が追加され、「E-E-A-T」という新たな評価フレームワークが構築された。これにより、病院視点でのコンテンツだけでなく、実際にサービスを受けた飼い主の体験談が「経験」として高く評価されるようになった。
もう1つは求職者に向けたブランディング。動物病院業界では人材確保が年々難しくなっており、求職者に対して自院の魅力を明確に伝えることが求められている。院長やスタッフの言葉に加え、飼い主からの信頼と満足の声は、第三者の視点として強い説得力を持ち、求職者に「ここで働きたい」と思わせる後押しになる。
こうした背景を受け、会員様では飼い主の声を積極的に収集し、ホームページ上で発信する取り組みを推進している。来院の経緯や診療の印象、スタッフの対応など、飼い主の体験談一つ一つが「実績」として積み重なり、新たな信頼を生み出す基盤となっている。声の集積は単なる評価ではなく、病院の価値を示す資産となる。この“声の力”を活かした取り組みを継続していくことが、より重要になると考えている。
カテゴリ: WEB マーケティング北野採用力強化
2025年は成長の定義を考える1年に
Posted 2025年01月17日 by
昨年より、人件費増加・仕入れ値増加など、
経営コストの増加が目立つようになってきています。
従来は需要増加に伴い、
「成長=売上増・規模増」という図式が一般的でした。
しかし、現在の環境下においてはその図式が成り立ちにくく、
目標や方向性を見失いがちになっていると感じます。
動物病院は社会性の高い職種であり、
企業活動の目的は永続であることが第一となります。
これを根本に見据えると「成長=売上増・規模増」以外にも、
「成長=利益増」や「成長=従業員の成長」という図式なども
考えることができるでしょう。
また、最近は採用難により、
需要はあるが人手不足で対応が難しい(=売上を上げづらい)という
病院様も増えてきています。
成長の指標として売上増だけでなく、
利益増なども見据えていただくと良いでしょう。
利益をどのように高めるにかついてですが、
大きく2つの方法があります。
(1)売上を上げる
売上は 売上=来院数×来院回数×診療単価に分解でき、
病院状況によって数を増やすことが難しければ、
診療単価を上げることが必要です。
診療単価を上げるには、
値上を含む価格改定か診療項目の新設などがあります。
(2)原価をコントロールする
動物病院は多品種少量扱いという特殊な業種であり、
在庫管理漏れや価格転嫁漏れが発生しやすいといえます。
在庫管理を改善するだけで年間の利益が大きく上昇することもあり得ます。
細かな作業とはなりますが、小さな改善が大きな成果にもなりますので、
重要な取組だと認識してください。
2025年はどのような成長を目標とするか、
しっかりと考えてみてください。
人手不足と賃金上昇とオンライン
Posted 2024年06月04日 by
北野です。
ニューヨークにある飲食店では、遠く離れたフィリピンスタッフがZoomを介してレジ係を行っているという。
ニューヨークでは最低賃金がどんどん上昇しており、採用も難しくなっている。
英語が話せ、賃金の安いフィリピン人をZoomを介した受付スタッフとして勤務させるサービスである。
この受付スタッフは複数業種、複数店舗の受付を兼ねており、サービス提供側も人員を効率よく使えている。
動物病院業界においてもコロナ禍でオンライン診療の導入が進んだが、結局浸透するまでには至っていない。
オンライン診療には、
・D to P
・D to D to P
などの複数のモデルがあるが、D to P のように飼い主様が獣医師のような専門職と1対1で対する場面ではオンラインが浸透しなかった。
今後はD to D to P のように、病院にいるリアルスタッフを介してオンラインで行う、もしくは受付のような専門職以外をオンラインに変えていく可能性は残っていると感じる。
人手不足と生産性向上の両面を考えていきたい。
新人教育を考える
Posted 2024年05月17日 by
北野です。
4月には新入社員が入ってきた動物病院様も多いだろう。この時期の課題は新人教育、辞めさせないための入社後フォローなど様々である。
辞めさせないための取組はオンボーディングといい、これまでにも色々な取組を紹介してきた。
今回は従業員教育について考えてみたい。
一口に従業員教育と言っても様々な種類がある。
技術・手順を教える「やり方教育」、社会人とさてのスタンスを教える「あり方教育」などである。
「あり方教育」の延長線上には、「こういう時は、こう対応する」などの、「あり方」をベースとした「対応法教育」がある。
やり方教育はマニュアル化することができるが、あり方教育はマニュアル化ができない。また、その時のシチュエーションなどの文脈によって対応を変える必要があるため、正解が1つでないことも多い。
接遇、ホスピタリティ、クレーム対応などはこの「対応法教育」に含まれてくる。
通常、対応法教育はいわゆるOJTなどの発生タイミングで、先輩がやっていることを見せながら教えることが多い。しかし、見て覚えろという教育手法が時代遅れであることもあるし、クレーム対応などでメンタルにきてしまうと退職リスクも高まるなど、非常に取扱いの難しいテーマであった。
これらの課題をどう解消するかを考えた結果、一つの答えに辿り着いた。それは、
・暗黙知の形式知化
・インプットとアウトプットの掛け算
などである。
理屈はここでは省くが、要は「病院がこれまで体験してきたことを誰もが疑似体験できる場を作る」ということである。
この疑似体験という学習プロセスは、講義を受けるといった従来学習の18倍の定着効果があると言われている。
やり方は以下である。
(1) 基礎知識を学ぶ
疑似体験をすることは有用ではあるが、基礎知識が無いと話についていけない。話について行けないと思考停止となる。まずは基礎知識を簡易的にでも学ぶ。
(2)他者の経験を知る
「処方するお薬を渡し忘れたら」など、特定のシチュエーションにおける、他者の対応方法を聞く。その対応方法も1人ではなく複数人分を聞くと、手札を増やすことができる。
(3)自身の考えを述べる
間違いを気にせず、自分であればどう対応したか?を述べる。未体験事項であっても話す。話す(アウトプット)というプロセスを経ることで、自分の中での思考プロセスが整理されていく。
(4)他者経験について議論する
複数人分の対応方法を聞いたら、自身の意見も含めて参加メンバー全員で「どうすればもっと良い対応ができたか?」と議論する。議論することで、対応方法の統一性や相互理解を深めることができる。
これらを、短時間でも良いので、定期的に実施し疑似体験を深めていく。このプロセスを経験いただくと、新人スタッフでも見違えるような対応を見せるようになってくる。
疑似体験を経て、
「こんなことも起きるんだ」、「こういう対応があるんだ」など、心準備と対応の複数手札を持てたことが大きいだろう。これを見ていると、できないのではなく、知らなかっただけということに気付かされる。
このプロセスをぜひ導入していただきたいのだが、どう導入すればよいのか分からない。という動物病院様も多いかもしれない。
弊社サービスの紹介となり恐縮ではあるが、これらを導入するための場作りとして、「まなべる。すごろく」という教材を作成した。
既に先行販売分は会員様を中心に完売し、現在第2次販売を開始している。
下記サイトに詳細があるので、ご興味を持って頂いた場合にはご覧いただきたい。忙しいフィラリアシーズンが終わり、従業員教育に本腰を入れられる時間が作れるようになってくる。
ぜひ、ご活用頂きたい。
【まなべる。すごろく】
https://sustaina.hp.peraichi.com/sugoroku
カテゴリ: 北野従業員教育評価制度・賃金制度構築
リーダーを選ぶ基準
Posted 2024年04月19日 by
北野です。
お客様とお話ししていると、
一定規模以上の病院様では、
人事的な話題が多い。
その中でも頭を悩ませるのは、
誰を上に引き上げるか?
という物差しについてである。
年功序列、目に見える能力が優秀、
面倒見が良い、人間性など
様々な物差しがある。
そんな物差しを持つ上で、
ある書籍で紹介されていた基準が
参考になるため紹介したい。
①すぐにあきらめる
②できない言い訳をする
③危機感がない
④成果が出ない理由を外部要因にする
⑤やるべきことを「自分がやらなくていい理由」を見つけてやらない
⑥ミスをしても謝らない
⑦ミスをしても、バレないようにごまかす
⑧人が見ていないところでサボる
⑨うそをついてごまかす
⑩トラブルから逃げる
これらの要素を上が持っていると、
その素養を下も持つようになるので機能しなくなる。
もちろん全てを満たす人は少ないため、
その人の持つ一番悪い部分が、
下に影響を与える場合にどうなるか?
を判断基準にするとよいとのことである。
なかなか難しい人間性としての部分の
言語化基準である。
ぜひ参考にしていただきたい。
カテゴリ: 動物病院の経営北野教育評価制度・賃金制度構築
Search
Categoly
Inquiry
Archive
- 2026年3月
- 2026年2月
- 2026年1月
- 2025年12月
- 2025年11月
- 2025年10月
- 2025年9月
- 2025年8月
- 2025年7月
- 2025年6月
- 2025年5月
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月









無料書籍
無料メルマガ登録