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カテゴリー: 北野
利益向上に向けて
Posted 2024年01月12日 by
北野です。
会員様の院長先生と様々な目標設定を行うが、成長の定義を考え直すことがある。
売上向上なのか利益向上なのか、従業員数増加なのかなど、どういった数字に着目するかである。
一定レベルの規模感になると大幅な売上向上は難易度が高くなるため、売上向上と利益向上の2軸で検討することが多い。
そんな病院様で昨年末から取り組んでいるのが、原価率の改善や価格設定の見直しである。なお、価格設定の見直しとは単なる値上げではなく、適切な価格に変更するということである。
これを行うにはまず仕入れデータを入手し、品目毎に集計、仕入れ価格の推移や自院の価格改定状況の確認などを行っていく。
数件の会員様で実施しているが、知らぬ間に仕入れ価格が上昇しており、価格転嫁できていない項目が実は多い。少なくて全項目の3%程度、多いと10%程度が改定されていない。
赤字になることは無いが、利益率は低下していっている。価格を改定して昨年の件数の売上があったなら?と再計算すると、それなりの数字が出てくることになる。
特に規模感が大きな病院様ほど、価格改定による利益改善インパクトは大きくなる。
これら一連の取組はかなりの作業量を要するため、実施のハードルはかなり高い。しかし、一度整理して価格設定のルール化を行うと中長期に改善し続けることが可能となる。
自院の価格について再度考えていただきたい。
書く効用
Posted 2024年01月05日 by
北野です。
年末年始に様々なセミナーを受講する中で、
多くに共通した学びは、「書くことの重要性」であった。
社会構成主義という考え方があり、
「社会の様々な事象は人々の頭の中で作り上げられたもの(認知)であり、それを離れて社会は存在しない」
というものである。
つまりは脳内の思考が自身の行動に繋がっているという考え方である。
脳内の思考を変えるには何が有効かというと、
書く・描くという行動であるという。
日本には古来から目標を書き初めするという風習があるが、
これは理にかなった古来からの文化だと感じる。
また書く・描くという行為は、
スマホやパソコンに入力する行為と異なり、
より脳内に具体的なイメージを描ける方法だという。
不透明な時代になりつつある中で、
今年の目標達成に向けては、
書く・描くということを大切にしていただきたい。
組織の成長を目の当たりにする
Posted 2023年12月15日 by
北野です。
先日、会員様の2023年の振返り全体MTGに参加させていただいた。
毎年5~8程度のチームを組成し、
そのチームが年間を通じて各種実行をしていく。
この体制になって数年が経過するが、
毎年、取組の精度が高まっている。
もちろんすべての取組が上手くいうわけではないが、
全員が確実に成長を重ねている。
この病院様がこういった成果をだしている理由を
個人的に考えてみたので共有したい。
(1)具体性の明示
大規模病院様ではあるが、
院長先生が非常に細やかに現場を見ておられる。
そして院長先生の頭の中には、
何らかの「具体的な絵」が出来上がっているため、
具体的なアドバイスが可能となっている。
院長の常に情報収集&勉強を重ねられているお姿には、
常々感銘を受けている。
(2)PDCAのC
何かの企画を行った場合は、
やりっ放しになることが多い。
しかし、この病院様では、
毎年必ず数字に基づく振り返りを行っている。
そのため、次のアクションに向けて、
・何が上手くいったか
・何が上手くいかなかったか
を強制的にでも考える環境が用意されている。
(3)忍耐&継続性
取組の中には5年程継続して、
大きな成果が出始めたというものもある。
短期の結果で判断せずに、
長期的視点を持って取り組むという重要性を
改めて感じている。
(4)若手抜擢
この病院様は優秀だなと感じる方が多いが、
全員が最初から今の実力を発揮しているわけではない。
大きく成長された背景には、
若手時からの抜擢があると感じている。
磨けば光る素材であっても、
磨くチャンスを与えないと、光ることはない。
そしてチャンスは全員に与えられる。
そして、経営陣はそのチャンスを忍耐を持って支え、
任された若手はストレスを克服しながら取り組む。
この両輪を回し続けた結果が大きな成長となっている。
(5)成長の姿を見せる
このMTGは全従業員が参加して、
各チームの担当者が全員の前で報告する。
こういった場で、同僚や先輩後輩の成長ぶりを目の当たりにすることで、
良い刺激の場になっているのでは?と感じている。
・自分もああなりたい
・自分も認められたい
そう感じた次の世代は、
自身に与えられたチャンスを
とても有意義に過ごせるだろう。
毎年、参加させていただいているが、
いつも良い病院様だなと感じている。
全ては難しいと思うが、ぜひ1つでも取り組んでいいただきたい。
サーキュラーエコノミー
Posted 2023年12月01日 by
北野です。
SDGsの観点もあり、サーキュラーエコノミーという考え方が広がっている。
過去の変遷を見ていくと、
(1)リニアエコノミー
原材料⇒製造⇒使用⇒廃棄
(2)リユースエコノミー
原材料⇒製造⇒使用⇒製造⇒使用⇒廃棄
(3)サーキュラーエコノミー
原材料⇒製造⇒使用⇒原材料⇒製造・・・
となっている。
一見、リユースエコノミーとサーキュラーエコノミーは似ているようにみえるが、
最終的に廃棄を行う点ではリニアエコノミーに近くなっている。
サーキュラーエコノミーは廃棄を前提とせず、
原材料として循環させ続けることを目標としている。
日本国内においてはまだまだ事例は少ないが、
海外に目を向けると、オランダのアムステルダムが先行している。
アムステルダムは2015年にいち早く「2050年プラン」として、
家庭ごみのリサイクル・リユース、原材料の50%削減など、
段階的な目標値を決めて政策連動させている。
また、オランダを代表する企業であるフィリップスなどは、
サーキュラーエコノミー関連事業だけで売上全体の15%を占めるようになっているという。
もちろん、国をあげて、グローバル大企業の活動と捉えることもできるが、
アムステルダムでは市民レベルでの行動が浸透している。
動物病院においてもSDGsの観点含めて、
生物の生態系保全に向けた行動を1病院規模から開始できるのではないかと考えている。
集患・求人においても差別化が必要になってきている。
経済成長に伴う規模の原理による差別化にも限界がきていよう。
観点を変えて、社会性での差別化を図ってみてはと考えている。
動物病院におけるAI活用
Posted 2023年11月06日 by
北野です。
ChatGPTなど、生成系AIをビジネスに活用する動きが活発になってきている。
動物病院業界においては、一部の検査において運用が始まってきているが、まだまだ限定的なものとなっている。
一方で人の医療においても様々な場面での活用事例が出始めてきた。
人の医療業界を参考にするのが手始めによいだろう。
いくつかの会員様で生成系AIの活用方法を模索しているが、
活用において注意すべき点がある。
それは、業務の全体像の整理と根本的なデジタル変革の2つである。
そもそも、業界規模が小さな動物病院業界において、
オールインワンで全てをまかなえるシステムというのは存在しない。
そのため、生成系AIの導入においても部分最適で活用する方法しかない。
また、生成系AIは上手く活用すれば効率化や生産性向上に繋がるが、
万能では無い分、使用する側の経験値が求められる。
動物病院業界において最も実用可能性が高いのが、
電子カルテの記載内容の自動生成と考えているが、
これもそもそも電子カルテを導入している必要がある。
これらを踏まえると、
①院内業務全体の整理とフロー化
②院内業務のデジタル化
③デジタル化の経験値向上
④生成系AI導入の部分的導入
⑤導入による生産性向上実現
という流れになると考えられる。
こういった流れは不可逆なものであり、
数年後にはデジタル化・生成系AIの未導入病院は、
組織としての魅力に欠ける様になるかもしれない。
これは採用はもちろんのこと、
飼い主様へ獣医療サービスを提供する体制にも影響する可能性がある。
とはいえ、未着手の動物病院が多いのが現状である。
早く取り組めばそれだけ恩恵を受けることも多いであろう。
来年に向けて考えておきたいテーマである。
待ち時間をポジティブに
Posted 2023年10月06日 by
北野です。
待ち時間というと、ネガティブなイメージしかないが、
待ち時間をお得に楽しむサービスが出てきている。
飲食店などで行列に並ぶ前後でQRコードを読み取り、
待ち時間に応じたポイントが付与され、
ポイントに応じたドリンクなどと交換することが出来る。
また、ディズニーランドでも、
アトラクションによっては待ちたくない人向けの有料パスがあり、
通常とは別ルートでアトラクションに入場できる。
一方で、待つ人向けのルートでは、
有料パスの人が見られない空間を通るようになっており、
待つ人だけが楽しめる工夫もされている。
このように、待つということはネガティブなイメージがあるが、
待つということをポジティブに変える取り組みが進んでいる。
会員様でも、待ち時間を有効活用するための、
「10分お手入れサービス」の提供や、
QRコードを活用した宝探しなど楽しめる工夫を行っている。
今後は、
待ちたくない人向けの有料付加サービスと、
待ってもよい人向けの付加サービスの両方が必要になるかもしれない。
動物病院で何ができるかを検討していきたい。
具体と抽象
Posted 2023年09月22日 by
北野です。
仕事柄、様々な動物病院様のミーティングに参加する機会がある。
良いと感じるミーティングとそうでないミーティングがある。
その差は何かというと、大きく以下の3つの点があると考えている。
・参加姿勢
・議題内容の具体性
・アクションの具体性
ある会員様では毎月ミーティング日を臨時休診とし、
ミーティングのみに集中できるようにしている。
従業員は診療よりも情報共有・議論という認識でいるため、
その一日をとても大切にしているように感じる。
また、ミーティングをより充実したものにするために、
議題の作り込みや事前共有などが徹底されている。
また、その議題は一読すれば分かるものとなっているし、
健診などの途中経過や実績なども具体的な数字が報告されており、
改善などの具体的なアクションプランを議論できるようになっている。
ここに共通するのは具体性である。
なぜ具体性が必要かというと、
ミーティングに参加するメンバーには新人からベテラン、
非役職者から上位役職者まで幅広く存在する。
当然、下にいくほど抽象的な情報への感度は低く理解度も低くなる。
分からない話が続くミーティングでは参加姿勢も悪化していく。
このように、ミーティングは参加者の中で
最も理解度の低いメンバーでも理解できるように工夫できると
良いミーティングとなっていく。
参加者のレベルに応じたミーティングを心がけたい。
そのために最も重要なのは具体性であると考えていただきたい。
ゴール目標からの逆算
Posted 2023年09月15日 by
健診やデンタルキャンペーンなど何らかの企画を行う場合に、
PDCAサイクルに基づくことをお勧めしている。
これは、改善を行うことを目的にしている。
改善を行うためには、何が成功で何が失敗かを把握しないといけない。
そのためにも、企画を行う場合のゴールを設定する必要がある。
またゴールにも段階的なゴールがあることも知っておきたい。
例えば、何らかのキャンペーンの受診目標を30件とする。
その30件を達成するためには、その前の段階での実施率が何件必要なのか?
その実施率を達成するためには、どの程度の情報発信(DM発送数など)が必要になるのか?
そういった数値目標や数値目安をゴールから逆算して検討しておく。
そうすると、最終的なゴールの達成・未達成時にどのプロセスで改善が必要なのかが分かるようになっていく。
ゴールからの逆算をイメージしていただきたい。
古典に学ぶ
Posted 2023年09月01日 by
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
という有名な言葉がある。
これは1800年代のドイツ帝国宰相のビスマルクの言葉である。700年代頃の唐の皇帝の言葉として、
中国古典にも三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)という言葉があり、700年代頃と言われている。このように、いつの時代もトップは歴史から学ぶことの重要性を説いている。また、歴史というのは広義では、過去の出来事だけでなく、他人の経験や集合知といったものまで指しているという。自分の経験という極めて短期間かつ浅い世界観ではなく、長期に渡る深い世界観に触れなさいということであろう。この世界観に触れるのに最も適しているのは古来から読み継がれている古典である。医療関連の書籍だけではなく、読書として古典に触れてみていただきたい。
カテゴリ: 北野
成長する組織の循環
Posted 2023年07月21日 by
マネジメント分野には、採用、教育、評価、組織化、生産性向上という5つがある。
この全ては繋がっており、成長する動物病院には良い循環が出来上がっている。一方で、人が育たない、直ぐに辞めるなど、組織の機能不全が起こっている場合にはこの循環のどこかに詰まりや欠損があることが多い。
人が続かないという悩みに対して、評価制度など、従業員個人へのフィードバックとなる取組を進めようとする場合があるが、多くは失敗に終わりやすい。
どこから手を付けるかは各病院の状況によるが、まずは教育から手を付けることをお勧めする。
教育とは様々な切り口があるが、人が成長する仕組み作りに、その本質がある。自院で求められる役割や仕事は何か。成長とともに給与が上がることで成長への動機付けが追加される。
そして、成長度合いをフィードバックし、効果的に成長できるようにするために評価制度が作られていく。
そのため、評価制度は給与や賞与の計算ツールではなく、成長促進のためのツールと捉える必要がある。
人を採用し、組織化と生産性向上を目的とした教育を行い、成長促進のために評価を行っていく。人が成長する仕組みが出来上がっていくと、職場の魅力も高まり、採用も変化していく。
このように発展する動物病院には良い循環が出来上がってく。自院の循環について振り返ってみていただきたい。
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