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カテゴリー: マーケティング
差別化要因としての「相性」
Posted 2026年02月13日 by
北野です。
動物病院の数が増え、地域によっては競合状況が厳しさを増しています。規模感や設備(医療機器など)、獣医療技術による専門性といった要素は、以前ほど差別化の武器になりにくくなり、同質化が進みつつあります。その結果、「どこも良さそうに見える」「結局何で選べばいいか分からない」という状況が生まれ、新たな差別化要因が求められています。
飼い主様が動物病院探しに求めるものとして、安心や信頼が挙げられます。しかし、実際のところは通ってみるまで分からない、というのが本音ではないでしょうか。ホームページで理念や診療方針を読んでも、院内の空気感、説明の丁寧さ、治療の進め方、スタッフの距離感などは、来院して初めて見えてくる部分が多いからです。つまり、飼い主様が本当に欲しいのは「うちの子に合う病院かどうか」「自分たちに合う病院かどうか」という相性の確信です。来院前にその相性の良さを感じてもらえれば、同質化した競争環境の中でも選ばれる確率を高めることができます。
そこで重要になるのが、「相性」という要素をどのように分解し、伝えるかという設計です。相性は曖昧な言葉に見えますが、実は分解していくと、飼い主様が判断できる具体的な要素に落とし込めます。例えば、説明スタイルの相性があります。丁寧に時間をかけて説明してほしい方もいれば、要点を端的に知りたい方もいます。選択肢を並べて一緒に決めたい方もいれば、先生主導で迷わせずに提案してほしい方もいます。意思決定の相性も重要です。検査をしっかり行って原因を突き止めたい方もいれば、必要最小限で負担を抑えたい方もいます。エビデンス重視か、生活背景重視かでも、納得のポイントは変わります。
さらに、コミュニケーション相性として、不安に寄り添ってほしいのか、合理的に進めてほしいのか、ユーモアがある方が安心するのか、静かに落ち着いて進めたいのか、といった違いがあります。診療体験相性としては、待ち時間の許容度、予約を重視したいか、スピード重視か、院内の刺激(音・匂い・他の動物)への敏感さなどが直結します。価値観相性では、延命をどこまで望むか、QOLを優先するか、予防や健康管理への熱量、費用への考え方などが関わります。ペットの気質相性も忘れてはいけません。怖がり、攻撃性、多頭、シニア、持病ありなど、病院側の得意な接し方やオペレーションが合うかどうかが満足度を左右します。
この「相性の型」を先に作っておくと、WEB施策も紹介(リファラル)施策も一本の線でつながります。ポイントは一貫して、相性を言語化し、相性を診断できる形にし、相性が伝わる証拠(ストーリー)を用意し、相性が合う人が集まる導線を作ることです。
同質化競争が進む中においては、「相性」をどのように伝えるかを考えてみるのはどうでしょうか?
人手不足倒産が増加していく中で…
Posted 2026年02月09日 by
帝国データバンクによれば、2025年に判明した人手不足倒産のうち、「従業員退職型」は124件で、前年から約4割増加した。
そして、集計可能な2013年以降で最多を更新した。
業種別でみれば、最も多いのが「建設業」(37件)で全体の29.8%を占め、サービス業は「サービス業」(29件)であった。
2つの業界に共通するのは、従業員の退職により外注に頼らざれなくなり、コスト増しになり資金繰りが困難になった事が理由のようだ。
先日、建築業界の経営者と話す機会があり、ほとんどの現場は外注をしないと回せないという。
高い賃金でないと若い子は辞めてしまう、更には、せっかく手に塩かけて育てた子が、やっと売上を立てれるほど一人前になった段階で、独立しようと辞めてしまうという。
※その経営者曰く、独立して食えるほど甘くはない業界(義理人情が強いなど含め)ではあるが…
「人手不足」、「物価高」という現代の戦国時代の中で、どのように生き残っているか?
業界のトップリーダーが、天下を取っていくのか、それとも1つの弱小と思われた企業が下剋上の如く、天下を取っていくのか
そのためには、時流を読み対応していくことが重要となる。
小手先の手法では、なかなか上手くいかない時代となるだろう。
カテゴリ: マーケティングマネジメント佐藤動物病院の経営動物病院経営コンサルティングブログ時流解説経営者目線経営計画策定
AIにますます依存する流れの中で…
Posted 2026年02月05日 by
先日、ITの調査会社が、「AIは急速に『Garbage In, Garbage Out(ゴミを入力すればゴミが出てくる)』という古典的な問題に直面している。」と警鐘を鳴らした。
「AIスロップ」とも呼ばれる現象だが、AIによって大量に作られた低品質かつ信頼性の低いコンテンツにより、AIが間違って学習してしまう恐れがある。
※つまり、嘘や低品質の内容をAIが正しい情報と認識してしまう事をいう。
この事により、架空の法律や判例を回答に参照したり、医療でいえば架空の治療法をAIが回答するようになる。
それぞれの分野の専門家であれば、AIの回答を検証する事が出来るが、一般の人達は確かめようがない。
ネットの力は、架空情報でも一気に拡散される。
10年くらい前に、ネット掲示板のスレッドきっかけで「国際信州学院大学」という架空の大学が誕生し、実在の大学と信じ込む人が出てきたケースもある。
(参照:https://www.j-cast.com/2018/04/17326408.html?p=all)
AIへの依存が高まっていく中で、噓情報に振り回されやすくなる。
動物病院業界も、噓情報を信じてしまった飼い主様への対応に苦労する事が予想される。
拡大するVibe Marketing
Posted 2026年02月03日 by
近年、Vibe Marketingと呼ばれるマーケティング手法が拡大している。
Vibe Marketingとは、製品やサービスの「機能」や「スペック」を売り込むのではなく、それらが醸し出す「雰囲気(Vibe/Mood)」や「世界観」を共有し、感情的なつながりを生み出す手法である。
某ノーコーディング(プログラムを必要としないアプリ開発)のサービス会社は、CMで誰でもアプリを作れる事を示すために、年配の男女が業務効率アプリを開発しているというストーリーを出した。
また、少し前から話題になったAMSR(聴覚や視覚への刺激により心地よさを生み出す動画)も、咀嚼音などからその食品の旨さなどを発信している。
※私個人としては、30年くらい前に放送されていたお茶漬けのCM「ただいまお茶漬け中」が該当するように思う。
動物病院でもVibe Marketingが色々な場面で使える。
過去に行われたものとしては、「手術の麻酔をかける際、必ず抱っこして行う」というスタッフの写真を含めてHPに掲載したものがある。
これにより、飼い主様に手術の不安感を安心感を変える事に成功した。
今後、Vibe Marketingが色々な例で出てくるだろう。
上手く取り入れていきたい。
カテゴリ: Vibe MarketingWEBマーケティングマーケティング佐藤動物病院の経営動物病院経営コンサルティングブログ時流解説
「タイパ」と「トキ消費」の二極化が顕著に
Posted 2026年01月23日 by
昨年、弊社の藤原がブログで「様々な業種でファストパスの導入が一般化してきている」と報じた。
先日、私が受診したクリニックでも「ファストパス」が導入されていた。

クリニックの場所柄、ビジネスマンや旅行者の受診が多く、移動などに時間に追われているため、ファストパスが求められるのかと想像する。
現代の日本人は、「タイパ」と「トキ消費」の二極化が顕著になってきている。
失敗や自分にとって価値がない時間に対しては、シビアなタイパが重視されるに対して、自分が本当に価値があると感じたものには、惜しみなく時間を使う「トキ消費」。
対極する「タイパ」と「トキ消費」を上手く獣医療のサービスに落とし込む事がポイントになる時代である。
常識の真逆をいく新たなマーケット
Posted 2026年01月22日 by
「Liquid Death(リキッド・デス=液体の死)」という商品は、ご存知だろうか?
商品名から激辛ソースの商品と想像するかもしれないが、実はこの商品は
ミネラルウォーター
である。
商品のHPを見ていただくと分かるが、見た目はビール缶でヘビメタのデザインではあるが、中身は完全なミネラルウォーターである。
「ミネラルウォーター」というと、「健康」、「大自然」というイメージが強い。
実際、ポスター、CMなどの広告思い出していただくと、「大自然の湧き水」であったり、「モデル」、「ヨガ」など明るいイメージがある。
しかし、「Liquid Death」は、「デス」と代表されるように、真逆な方向に商品をブランディングしているため、とても興味深い。
従来、ヘビメタなどのライブ会場やパーティなどでは、ビールやウォッカなどヘビーなアルコールが合う雰囲気があった。しかし、この商品によりミネラルウォーターを飲んでも「かっこ悪くない」という新しい価値を創造した。
新たなマーケットを創造するために、常識を疑ったり、真逆なものを組み合わせる、とても興味深い事例と言える。
「Liquid Death」の商品ページはこちら
「今」を一緒に過ごしたいというニーズ
Posted 2026年01月09日 by
先日、SNSで「愛犬と結婚式を挙げた」という投稿を目にしました。
一見すると特別で珍しい選択に見えますが、その理由はただ「可愛い」からではありません。
人が本当に求めている、「後悔しない時間」「思い出を形に残す価値」が、そこに映っていたからです。
一緒にいられる時間が限られていると分かっているからこそ、「いつか」ではなく「今」やりたいことを選ぶ。
この行動は決して突飛なものではなく、人の意思決定としてとても自然なものです。
結婚式という“人間にとって当たり前の行事”を、愛犬との時間に置き換えただけとも言えます。
そう考えると、私たちがこれまで人間向けだと思っていた行事やイベントの中にも、「今を愛犬と過ごしたい」というニーズに転用できるものが、まだ数多く残っているのではないでしょうか。
マーケティングの視点で見ると、ここに重要なヒントがあります。
顧客はサービスそのものを選んでいるのではなく、自分の人生や価値観に合う形で、意味づけできるかどうかを選んでいます。
だからこそ、既存の枠に収まらない選択でも、強い共感を生むのです。
動物病院の現場でも同じです。
検査や治療という機能ではなく、「やっておいてよかった」「これで後悔しない」そう感じられる体験が、選ばれる理由になります。
人間の行事と同じように、節目や記念をどう捉え、どう形にするかは、マーケティングの大きなヒントになります。
マーケティングとは、新しい需要を無理に作ることではありません。
すでに存在している感情に気づき、言葉にし、形にすること。
愛犬との結婚式という選択は、その感情の強さを、私たちに分かりやすく示してくれています。
イマーシブ・フォート東京の営業終了から
Posted 2025年12月26日 by
イマーシブ・フォート東京が来年2月で営業終了する事が発表された。
運営している刀社に関しては、今年4月に「マーケターがプロの経営者になれるのか」というタイトルで書かせていただいたが、風当りが厳しくなる事が予想される。
今年開園したジャングリアに関しても、グーグルの口コミの消失や施設やオペレーションに関する悪評などネガティブな事が広まっていった。
この苦境の中で、いかにV字回復をさせるか、刀社の手腕に注目を浴びている。
限られた予算の中で、いかにブランディングをし、競合からシェアを勝ち取れるか?
自分だったら、どう立て直しをするだろうかと考えながら、刀社の活躍を注目していきたい。
愛玩動物看護師のありかたを考える時
Posted 2025年12月24日 by
先日、令和7年度第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会(合同会合)が実施された。
愛玩動物看護師の在り方について話された。
詳細は「新たな国家資格としての愛玩動物看護師のあり方に関する検討報告書」に書かれているが、様々な事が書かれている。
・診療補助者としての業務
・チーム獣医療としての役割
・愛玩動物看護師の生涯教育(教育環境や専門認定)
など
今後、愛玩動物看護師の地位は高められ、おのずと賃金への反映や業務の多様化が起こりえる。
今年7月におこなれた第1回の委員会の会合でも訪問動物看護について話されていた。
飼い主様が高齢になり、来院が難しくなってきたためである。
今後、愛玩動物看護師の活用が動物病院の経営に影響を与えてくるように感じる。
「ハビトゥス」を理解する事
Posted 2025年12月19日 by
フランスの社会学者ピエール・ブルデューが提唱したものに、「ハビトゥス(habitus)」という概念がある。
「ハビトゥス」とは、その人の考え方や行動、言動などの大元になる要素みたいなものである。
書籍などでは、上流階級と庶民階級の行動の違いが例として挙げられる。
例えば、レストランでフォークを落とした場合であれば、
庶民階級は、フォークを自分で拾うだろう
一方、上流階級は手を上げて、給仕に新しいフォークを用意してもらうだろう。
この違いは、その人が生まれてから、今までの経験や知識、さらには周りの環境などが影響している。
コミュニケーションが上手な人は、無意識に相手の「ハビトゥス」を理解した上で接しているように感じる。
簡単な例でいれば、健康診断のコースを勧める際や治療法を提案する際は、その飼い主様の経済面、動物に対する愛情度合いなど様々なところから、最適と思われるものを考えて話している。
「ハビトゥス」を理解する事は、顧客理解に繋がり、マーケティングにおいても重要な要素である。
ぜひ「ハビトゥス」を意識してほしいと思う。
カテゴリ: WEB マーケティングコミュニケーションマーケティング佐藤動物病院の経営動物病院経営コンサルティングブログ時流解説
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