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カテゴリー: 福永
離職者を減らすオンボーディング戦術
Posted 2023年09月14日 by
オンボーディングとは、組織になじませる力のことを意味します。
もともと、オンボーディングは船や飛行機に乗っているという意味です。新卒採用者や中途採用者など、病院という乗り物に新しく加わった個人を同じ乗組員としてなじませ、一人前にしていくプロセスを指します。
オンボーディングには3つの機能があるといわれています。
①情報を与えるインフォーム行動
インフォーム行動とは新入写真に情報や道具を提供すること、新入社員が円滑に活動していく方法を学べる経験を提供することです。多くのオンボーディング施策はここに含まれます。
②迎え入れるウェルカム行動
ウェルカム行動とは新入社員を歓迎したり、新入社員とスタッフが顔合わせできる機会を提供するなどのプログラムや制度のことです。
インフォーム行動は、新入社員にとって有益な情報面に焦点があてられるのに対して、ウェルカム行動は新入社員の感情面や人間関係の構築に作用します。インフォーム行動は実習生に対しても大切になります。
③導くガイド行動
ガイド行動は新入社員をサポートする個人的なメンバー(メンターなど)を提供することを指します。
新入社員は様々な分野の課題に直面します。その課題を1人で克服するのは難しいため、身近に何でも相談できるガイド役が存在することは新入社員にとってとても有意義です。
中途社員を含めた新入社員には、何をすればいいのか悩んでいる場合にはオンボーディングを意識してみてください。
組織になじませる力
Posted 2023年09月14日 by
労働市場が流動化し、転職が当たり前とされる現代において、企業組織が成功するためには、「組織になじませる力」を養うことがますます重要となっています。
組織になじませる力が欠如している場合、新たに採用した従業員は組織に適応せず、退職してしまう可能性が高まり、人材の流出が増加するリスクが生じます。中途採用者が組織に馴染まないと感じることは珍しくありません。
組織になじませる力は多くの要素から成り立っており、以下のような要因が重要です。
① 仕事の知識やスキルを円滑に習得させる力:新しい従業員が必要なスキルや知識を素早く習得し、業務に適応できる能力です。トレーニングや教育プログラムを提供することが含まれます。
② 会社の理念や文化、暗黙のルールなどを理解させ、体現させる力:組織の核となる価値観や文化を新しいメンバーに浸透させ、それを実践することができる力です。組織の文化を明確に伝え、従業員がそれを共有することが重要です。
③ 良質で広範囲な人間関係を構築させる力:協力するための人間関係を築く能力であり、組織内外でのコミュニケーションが含まれます。
④ 会社に貢献できる高いパフォーマンスを発揮できる力:従業員が組織の目標に貢献し、高いパフォーマンスを発揮する能力です。目標設定、評価、フィードバックが助けになります。
⑤ 常に成長実感を与え続ける力:従業員が成長し、仕事に意欲を持ち続けるための支援と指導の能力です。キャリア開発プランや研修プログラムの提供が重要です。
これらの要素を複合的に養うことが、組織になじませる力を強化する鍵です。組織はこれらの力を発展させ、新たな従業員が組織に適切に統合され、長期的な関係を築くために投資することが求められます。そして、これによって組織は人材流出を最小限に抑え、持続可能な成功を実現できるでしょう。
心理的ホメオスタシス
Posted 2023年08月29日 by
外部刺激の情報処理を担う「内部モデル」は容易に変更するのは難しいと言われています。
私たちの心には「元に戻ろうとする力」、一種のホメオスタシスが作用するからです。
生理学や神経科学などで語られるホメオスタシスは、生物における恒常性の維持機能を指していますが、
これは私たちの心にも存在し、現状からの逸脱を妨げようとする機能(心理的ホメオスタシス)があります。
心理的ホメオスタシスとは、「変わりたくないと思う無意識」そのものであり、いくら外部からの刺激を与えても、
人は「これまで通りの日常」へと無意識のうちに戻っていこうとします。
より居心地の良い現状は、コーチングなどの分野では「コンフォートゾーン」と呼ばれたりもしますが、
頭では「変わらないといけない」と分かっていてもほとんどの人が変われないのはホメオスタシスが働き、コンフォートゾーンへ引き戻しているからです。
また、こうした作用が働くのは、個人だけではなく組織においても心理的ホメオスタシスと類似の力が存在します。
例えば、長い歴史をもった動物病院には「前例主義」や「現状維持」といった完成が働きやすくなります。だからこそ動物病院で組織改革を行おうとすると「変わりたくない!」という拒否反応が起こります。
何か新しい企画を実施するときには、スタッフのマインドの部分から変えていくことが重要です。
36協定について
Posted 2023年08月29日 by
「36協定」は、日本の労働基準法に基づく労使協定の一種であり、その正式名称は「時間外・休日労働に関する協定」です。この協定は、労働基準法の第36条に規定されており、労働者と雇用主(例えば、動物病院などの事業主)との間で、時間外労働や休日労働に関する取り決めを行うための枠組みを提供します。これにより、労働時間や休日の確保、労働者の健康と働き方の改善が図られることを目的としています。
動物病院などの労働者が、法定労働時間を超える時間外労働や法定休日の労働を行う場合、36協定を締結し労働基準監督署に届け出る必要があります。特に、スタッフが10人以上いる場合には、労働基準法に基づく就業規則の作成と併せて、届け出の義務が発生します。しかし、スタッフが1人でも時間外労働や休日労働を行う場合でも、届け出が必要です。これにより、労働条件の透明性や遵守の確保が図られることとなります。
36協定では、労働者と雇用主が以下の内容について合意する必要があります。
・時間外労働や休日労働を行う具体的な事由:なぜそのような労働が必要なのかを示す必要があります。
・労働の種類や業務内容:どのような業務に従事する場合に時間外労働や休日労働が発生するかを明記します。
・従業員の数:労働条件や規模に応じて、どの程度の労働者が関与するかを記載します。
・1日、1ヶ月、1年間において延長可能な労働時間や労働させることができる休日:具体的な時間や日数について合意します。
・協定の有効期限:協定の有効期間を設定します。
労働基準法の改正により、2018年6月以降、36協定で定める時間外労働の上限に罰則が設けられました。これにより、月に最大で45時間、年に最大で360時間の時間外労働が許容されます。ただし、年単位で変形労働時間制を採用している場合は、月に最大で42時間、年に最大で320時間までとなります。これを超える場合、特別な事情がない限り違法となります。
人材開発支援助成金について
Posted 2023年08月04日 by
スタッフの育成は、多くの動物病院が抱えている課題の一つです。
特に人材を確保するだけでも精いっぱいな状況の中、人手不足によってしっかりとした教育をしたくてもできないことがあります。さらに、人材育成を実施するためには財源を確保しなければなりません。
そのような課題を抱える事業主を支援する国の政策として人材開発支援助成金という助成制度があります。
人材開発支援助成金とは、雇用するスタッフのキャリア形成を効果的に促進するために職務に関連した専門的な知識および技能を習得させるための職業訓練等を受講させる事業主などを助成する制度です。
つまり、スタッフの職務に必要な専門的な知識や技術を学ぶとき、動物病院が負担する費用の一部を助成金で賄うことが出来るものです。
人材開発支援助成金にはいくつかのコースが用意されており、コースによって助成金の額や対象要件などが異なります。
その中でも、特定訓練コースの若年人材育成訓練は若手スタッフの人材育成に課題のある動物病院にとって最適です。
若年人材育成訓練は、訓練開始日において雇用契約締結後5年を経過していない35歳未満のスタッフに対する訓練を実施した場合に助成が受けられる訓練メニューです。
基本的な要件として、職場外教育により実施される訓練であり、訓練時間が10時間以上であることとされています。
就業規則の重要性
Posted 2023年08月04日 by
動物病院が常時10人以上のスタッフを雇用している場合、法令によって就業規則の作成が義務付けられています。
就業規則は法令で定められた内容を記載するだけでなく、院長が動物病院の経営方針や理念をスタッフに伝えるための重要な文書としても活用できます。
この経営方針に基づいた節度ある働き方については、公序良俗に反しない範囲で自由に決定することができます。つまり、スタッフが働く上でのルールや規律を明確に定めることで、良好な職場環境を形成することが可能です。具体的な勤務時間、休暇制度、残業ルールなどを明確に定めることで、スタッフの働きやすさを向上させることができます。
もし就業規則に違反した場合は、懲戒処分を行うことがあると記載しておけば、院内の秩序を保つことができます。懲戒処分には注意喚起の意味もあり、スタッフが規則を守る意識を高める効果が期待できます。
さらに、就業規則は院長の思い描く理想や獣医療の在り方をスタッフに強く語りかける手段としても重要です。
経営方針や理念を全文などを通して示すことで、スタッフに対して統一感を持たせ、共感を呼び起こすことができます。
就業規則を明確に定めることで、病院とスタッフがお互いに尊重し合い、働きやすく、モチベーションが高まる職場環境を整えることができます。これにより、スタッフの定着率向上や業務の効率化にも繋がり、病院全体の運営にプラスの影響を与えることが期待されます。
部下の褒め方
Posted 2023年06月27日 by
部下をほめることは、モチベーションを高め、成果を引き出すために重要な要素です。部下をほめる際のコツをいくつかご紹介します。
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具体的で明確なフィードバック・・・ほめる際には、具体的な行動や成果を指摘しましょう。例えば、「ミーティングでアイデアを提案してくれたおかげで、業務効率化が出来たよ」といった具体的なフィードバックは、部下に自信を与えます。
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適切なタイミングでほめる・・・部下をほめる際は、適切なタイミングを選びましょう。直近の成果や優れた取り組みに関しては即座にほめるのが効果的です。しかし、重要なのは一度きりではなく、継続的にほめることです。定期的なフィードバックや評価の場を設けることで、部下は自身の成長を実感できます。
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個人の強みに着目する・・・人間はそれぞれ個別の強みや特徴を持っています。その強みを認め、ほめることで、部下の自信を高めることができます。部下の得意な領域や貢献度を的確に評価し、それをほめることで、彼らが自己成長を実感しやすくなります。
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公開でほめる・・・ほめる場を公開にすることで、部下のモチベーションを高めることができます。例えば、チームミーティングや社内のコミュニケーションツールで、他のメンバーの前で部下をほめることで、彼らの努力が認められることを感じさせることができます。
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真心を込めてほめる・・・部下をほめる際は、誠意を持ってほめることが重要です。部下の成果や努力に対して感謝の気持ちを込めて伝えましょう。偽りや形式的なほめ言葉ではなく、自身の心からの賞賛が部下に届きます。
以上のコツを意識しながら、部下をほめることで、彼らのモチベーションとパフォーマンスを向上させることができます。
人材紹介に頼らない自院での採用
Posted 2023年06月27日 by
自院での採用には、人材紹介会社を利用する方法もありますが、それに頼らずに自院で採用を行うことも可能です。
自院での採用は、費用の削減だけでなく、企業文化やビジョンを伝えやすく、採用した人材が病院にフィットしやすいというメリットがあります。
自院での採用を成功させるためには、4つのポイントに注意することが重要です。
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ブランディングの強化・・・ 自院の魅力や強みを明確にし、それをアピールすることが重要です。病院のウェブサイトやSNSを活用して、魅力的な企業文化や働く環境、成長機会を積極的に発信しましょう。求職者に対して、なぜ自社で働くべきなのかを魅力的に伝えることが求められます。
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内部リファラル制度の導入・・・社員の紹介制度を活用し、既存の社員からの紹介による採用を促進しましょう。社員は自社の文化や価値観を理解しており、自社にフィットした人材を紹介する可能性が高いです。また、内部リファラル制度を通じて、社員のエンゲージメントやモチベーションの向上にもつながります。
- 長期的な視点での採用計画・・・自社での採用は時間と手間がかかることがありますので、長期的な視点で採用計画を立てましょう。人材の需要予測や選考プロセスの改善、採用戦略の継続的な見直しを行うことが重要です。将来の成長に向けた人材の育成や継続的な採用活動が、院内の競争力を高める要素となります。
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面接・選考プロセスの強化・・・自院での採用では、面接や選考プロセスが特に重要です。採用する人材に対し、会社のビジョンや目標、仕事の魅力を伝えることで、採用後も長期的に働いてもらえるようなアプローチを心がけましょう。また、選考方法や評価基準を明確にし、採用プロセスの公正性と透明性を確保します。
自院での採用には、時間や手間がかかる場合がありますが、企業文化を築く上で重要な手段となります。
自社での採用を検討されている方は、是非、これらのポイントを参考にしてみてください。
作業と仕事の違い
Posted 2023年05月25日 by
レストランなどで、お客様が食べ残しが多かった時に、単にお皿を下げるウェイターと、何かひと声かけるウェイターのふた通りに分かれます。
これは「作業する人」と「仕事する人」の違いであるといえます。
「作業する人」は会社のサービスマニュアルを徹底します。
「仕事する人」はお客様の気持ちに自分の心を寄り添います。
仕事をする人は
『お口に合いませんでしたか?』
『少し量が多すぎましたか?』
などの言葉が出てきます。
このような言葉で会話が成立すれば、お客様も次回への期待を膨らませてくださるに違いがありません。
大事なのは、お客様が不満そうに見えたり、商品が気に入らないように感じた場合、思い切って声をかけ、何らかのフィードバックを受けとる勇気を持つということです。作業をする人ではこのような会話はマニュアルにない限り実施されることはありません。
不満を聞くことが自分の成長にもつながりますし、「次はこうしますね」とお客様に提案が出来れば。それが次回のお客様との物語に繋がっていくのです。
動物病院でも、何か不満そうに見えた飼い主様には勇気をもって声をかけて頂きたいです。
カテゴリ: 福永
良い行動は良い環境から
Posted 2023年05月24日 by
「行動の科学」に、有名な心理学者レビンの
B=f(P・E)
という公式があります。
B =Behavior (人間の行動・態度)
f=function(関数)
P =Personality(個人の性格、能力)
E =Environment(環境条件)
この公式の意味は、関数「人の行動(B)」は、変数「本人の要素(P)と、環境の要素(E)」で決まる、ということです。
つまり
同じような環境にいる人たちは同じような行動をとる。
同じような性格の人たちは同じような行動をとる。
ということが言えます。
良い行動は良い環境から生まれます。
会社にとっての良い環境にできるかどうかは組織文化によって左右されます。
そのためイキイキとした企業を作るには、何らかの形で組織文化をコントロールしていくことが必要になります。しかし、組織文化を直接的にコントロールすることは不可能です。ただし、人事制度の変更などで、間接的に影響を与えることは可能です。
組織文化は急に作れるわけではありませんが少しずつでも定着した企業文化を作るようにしましょう。
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