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カテゴリー: 従業員教育
「心理的安全性」の高い組織とは?
Posted 2022年06月20日 by
スタッフが自主的に動かない、意見を言わないというお悩みを聞くことが多々あります。
スタッフ自信に問題があることもありますが、一方でスタッフが意見を言いやすい環境が作れているかも考えてみていただきたいです。
1つの指標をご紹介します。
Googleは「チームの生産性を高めるには、心理的安全性を高める必要がある」としています。
「心理的安全性」があるというのは、組織の中で、誰もが安心して自分の考えや気持ちを話し、行動できる状態です。
「心理的安全性」を提唱した組織行動学者エイミー・C・エドモンドソン氏は組織の「心理的安全性」を測る7つの質問を挙げています。
① このチーム内でミスをしたら、きまって咎められる
② このチームでは、メンバーが困難や難題を提起することができる
③ このチームの人々は、他と違っていることを認めない
④ このチームでは、安心してリスクを取ることができる
⑤ このチームのメンバーには、支援を求めにくい
⑥ このチームには、私の努力を踏みにじるような行動を故意にする人は誰もいない
⑦ このチームのメンバーと仕事をするときには、私ならではのスキルと能力が高く評価され、活用されている
※①、③、⑤の質問は、指標が他と逆になり、否定的な回答がポジティブ傾向
自院の組織状態をチェックすると、病院側の改善点も見つかってくるかもしれません。
プランB
Posted 2022年06月16日 by
北野です。
先日、クライアント先の新人看護師と面談することがあった。
この方は、動物病院以外の企業(上場企業)で10年程度の勤務経験がある未経験者である。
覚えも早く前向きで一見良い人材に巡り会えたように感じる。しかし、他の先輩スタッフとの溝が日に日に深まり、モチベーションが下がってきているという。
先輩スタッフに話を聞きながら見えてきたのは、「言われたことを、言われた通りに、やらない」ということであった。
「ココに、こういう順番で、こうやって並べてね」という指示にも関わらず、完了した状態を確認すると、指示内容と全く異なる状態になっている。
新人本人からすれば、よかれと思ってやった改善が否定される。
先輩スタッフからすれば、出した指示が反故にされる。
この繰り返しが続いているという。
新人がやっているのは部分最適であり、全体最適にはなっていない。これも問題であるが、この段階で伝えても効果がない。
このような場合に正解なのは、「言われたとおりにやってみました。でも、こういうやり方も良いと思うのですが、どうでしょう?」と、やった上でプランBを出させるというスタンスである。
従来からのやり方であるプランAは、皆のいつも通りになっているため効率を下げない。プランBは部分的には効率よく見えるが、皆のいつも通りになっていないので、大きく効率を下げてしまう。
こういったスタンスを入社早期に伝えていかないと、本来仕事ができる人ほど孤立させることになる。
新卒が入って半年ほど経過する。今一度見直していただきたい。
仕事を任せるために
Posted 2022年06月03日 by
スタッフから見て、
こんな仕事の任せられ方はごめんだと
感じる頼み方は大きく分けて3つあります。
1現状の忙しさや業務量を気にせず頼んでくる
2不安を訴えても「大丈夫!何事もやってみないと!」
と取り合ってくれない
3いちいち何事も口を出してくる
こんな頼み方をされると、スタッフのやる気は低下し、
関係悪化にも陥りかねません。
そうならないための方法をお伝えします。
任せられる仕事か?チェックリスト
仕事は、何でも任せられるものばかりではありません。
本当に任せて問題ないかをチェックしてみましょう。
・リスク(影響範囲)を考慮する
ミスやトラブルが発生した場合、
飼い主さまに大きな悪影響を与える業務もあります。
スタッフに切り出すことを
慎重に判断する必要があります。
・大きなトラブルに発展しないよう進捗確認を必ず行う(頼みっぱなしにしない)
依頼したら任せっぱなしで一切その業務に関与しない、
ということがないよう、
仕事の状況やクオリティについて適宜チェックを行いましょう
(「半分出来たら、ちょっと持ってきて」「1時間やったら見せて」など)。
・権限を考慮する
働くうえでのルールを逸脱しない範囲で仕事を任せることが大前提です。
・任せる側の心構えを変える
嫌な顔をされるから自分でやった方が早い、
という方にお伝えしたいのは、
「嫌な顔をされるのは当たり前」ということです。
管理職の宿命、義務と捉え、覚悟する必要があります。
任せることはスタッフの育成につながり、
組織のためになる大切な業務です。
「無理を承知で仕事を任せる」と意識を変えましょう。
次に、任せたら信頼しましょう。
特に、これまであなたがやってきた仕事を任せる場合、
方法や進捗が気になってしまうことがあります。
せっかく思い切って仕事を任せたのに、あれやこれやと口出しをしていては、
相手は面白くありません。加えて、任せたはずのあなたからはいつまでたっても仕事が離れない、
という悪循環に陥ってしまいます。
進捗把握にとどめ、課題と自分の課題に線を引くことが大切です。
初めてその業務を行う人では気づかない点などを注意するにとどめましょう。
・任せられる側の業務量を考える
任された仕事に挑戦できる環境を整えるには、
まず任せる相手の業務量を考える必要があります。
これを測らずに任せると
「無理です」「できません。手一杯です」と断られる可能性が高いからです。
当然、一人一人抱えることのできる仕事の量は違います。
検討する際は「質」と「量」のバランスを意識しましょう。
・時間外勤務が多発、もしくは長時間かかっている業務に注目する
業務量を考えましょう。残業が多い、
時間のかかる仕事を抱えている、など、
現在行っている仕事を勤務時間内で遂行することが難しい相手に、
新たに仕事を追加するのでは、より残業時間が増えてしまうだけです。
・業務の難易度を考える
担当している業務が少なくても、難易度の高い仕事を抱えている場合、
新たに未経験の仕事を任せることは難しいでしょう。
その場合、ルーティン業務を任せてみるなどバランスを意識しましょう。
日次・週次・月次で行っている定例的な業務は、イレギュラーが発生しにくいため、
任せられるスタッフも予定の見通しが立てやすく、精神的な負担が軽くなります。
反対に、簡単な仕事ばかり抱えているなら
「雑用ばかり頼まれる」と感じているかもしれません。
仕事の「難易度」と「階層」は見合ったものにする必要があります。
・相手の締め切り量を考える
たとえ難しい仕事でなくとも、
締め切りを多く抱えている部下に任せることは任せた側も催促しにくく、
急がせればミスにつながる可能性があります。
締め切りを多く抱えている状態で
初めての業務を任せることは、リスク管理の面からも危険と言えます。
このように、
スタッフに仕事を頼んだ際に「嫌な顔をされない」ためにも、
部下の業務量が正当かどうかを
常に把握しておくことが望ましいでしょう。
スタッフがやらなくてもいい仕事を抱えていないか、
現在の負担度を適正なものにし、任せられる状況を作り出すことが大切です。
風通しの良い職場
Posted 2022年05月09日 by
子供の頃、学校では当たり前だった体育座りが体に悪影響だというニュースがありました。
世界でも日本でしか見られない珍しい座り方で、内臓を圧迫し、座骨の痛みが出るなど体には悪影響が多いという指摘があるそうです。
どんな分野でもそうですが、昔の定説や当たり前が覆ることは多々あり、獣医両業界でもそうなのかと思います。
先日、クライアントの院長先生とお話ししていた時に、手術時の剃毛の仕方が以前と変わり、国試でも出題されたことがあるというお話でした。
若い獣医さんは知っていて、逆にベテランの獣医さんが知らない知識というのは意外と多いのかもしれません。
部下や後輩が新しく、正しい情報を発信できる風通しの良い職場、そして発信した情報に対して柔軟に受け入れられる職場を目指していきたいものです。
自由と規律
Posted 2022年04月29日 by
北野です。
組織運営を行う際に、どこまで任せてどこから指示するかの線引きを考えることがある。
管理し過ぎると自主性がなくなるし、無管理だと好き勝手がまかり通ることになる。
概ね新卒だと入社歴が3年を過ぎた頃、中途だと1年を過ぎた頃から職場や業務に慣れてきて自己判断を行うことが増えてくる。
組織の方針やルールに基づいた自己判断は歓迎されるが、そうでない場合には周囲への悪影響となることがある。
やっかいなのは、間違った自己判断をしているにも関わらずそれに気付いていない人である。さらに、自分ができる人間だと勘違いして自己判断しているような、ある意味で自己陶酔している人すらいる。
こうなるとやっかいで、本人の中の間違った正義をどう矯正していくかを考えないといけない。矯正できない場合には切除するしか方法がなくなってしまう。
こうならないようにするためにも、自由と規律のバランスを考えておく必要がある。また、自己判断が許される存在なのか否か、各人に理解させておくことも必要だろう。
規律を守れるからこそ自由が与えられる。
規律が最初、自由が次である。
この順番だけは理解しておきたい。
そのミスが組織改善に繋がる
Posted 2022年04月22日 by
北野です。
新人が入り1カ月を迎えようとしている。
今回はそんな時期に考えておきたい話。
新人は「社会人の未経験者」、「仕事の未経験者」であるため、全てを完璧にこなせる人はいない。
何らかのミスをすることは当然である。
「ミスから学ぼう」というのは、聞こえのよい言葉ではあるが、学べるかどうかは病院の環境によるなと感じている。
ミスには「人為的なミス」と「システム的なミス」の2つがあり、入社後3カ月以内に起こるミスの多くが「システム的なミス」であることが多い。
教えられていないことにより発生するミス、流れが悪いことにより発生するミスなど様々であるが、現場は多くが「人為的なミス」として扱われることが多い。
学べる組織というのは、「人為的なミス」であっても、システムエラーが無いかを確認し、改善を積み重ねられる組織である。
何がミスの原因となったのかを探り、誰かの起こしたミスを組織課題として捉えられるかは重要である。
しかし一方で、「人為的なミス」として扱い続けると、個人課題に留まり、ある意味で個人攻撃を積み重ねることになってしまう。
こうなると、ミスをした新人はミスを隠したり誤魔化したりすることも増えてしまう。失敗したら怒られるから隠そう誤魔化そうという考え方になってしまう。
組織においては「ミスをする人」よりも「嘘をつく人・隠す人」の方が組織に大きなダメージを与えることになるが、これはミスをする個人ではなく、組織が産み出してしまっていることがほとんどである。
新人がミスをするのは当然である。そのミスはシステム的なミスではないか?という認識で組織の改善を進めていただきたい。
効率と正確の狭間
Posted 2022年04月08日 by
北野です。
新人も入り、教育が本格化し始めている。
教育においては、ここ数回で何度か書いているので、そちらも参照いただきたい。今回も現場で感じることについて考えてみたい。
入社3年目くらいまでのスタッフをザックリと分類すると、
・仕事は速いが雑なタイプ
・仕事は遅いが丁寧なタイプ
の2つに分かれてくる。
新人の頃の特徴としては、
前者は成長曲線が比較的速いタイプ
→速い時期から比較的多くのことができる
後者は成長曲線が比較的遅いタイプ
→ 最初はあまり仕事ができない
という傾向が強い。
医療という特性を考えると正確性は必要だが、
経営という特性を考えると効率化も必要となる。
効率か正確性か二者択一でない以上、状況に応じた判断が必要となるため、仕事は速いが雑なタイプには正確性を増すための改善策を、仕事は遅いが丁寧なタイプには効率化を増すための改善策を個別に与える必要が出てくる。
当たり前のように見えることがなかなか改善が進まないのは、特性に応じた伝え方と改善策が伝わっていないことが大きい。
脳科学的には伝わるには2つのレイヤーがあると言われており、Why(物語)から入ってHowto(理屈)で伝えるということが重要とのことである。
脳を同心円的に見ると、真ん中にある部分は感情や理由を扱っていて、外側にいくにつれて論理や数字を扱うようになる。
言われたことをやらないという状態はスキルの欠如の場合を除き、「何か腑に落ちない」という心理状態になっていることが多い。
理屈では分かるが直感的に違和感ある状態である。脳の外側で判断しているため、真ん中に働きかけないとならない。
そのためには、相手の感情に働きかける必要があり、これには組織のパーパスや自身のなりたい姿などに結びつけることも有用である。
新人のうちから伝えておきたい。
リーダーの育て方
Posted 2022年03月31日 by
リーダーとは、目標や方向性に向かう道筋を示し、
組織を一体化させて統率する任務を遂行する
「役割」のことです。組織がどこに向かうのか、
何を目標とするかという
ビジョンを明確にし、それを達成するまでのシステム
や道筋を作る必要があります。
そのためには、提示するビジョンに対し、
メンバー全員が共有・共感することが必要です。
今回はリーダーを育成する3つのステップをお伝えします。
1.次世代リーダー育成の目的の明確化、
周囲の理解・協力がないと次世代リーダーの
育成はできません。
次世代リーダーを育成することが
必要な理由やゴールを明確にし、
協力者を増やしていくことが、
次世代リーダー育成の第一歩です。
2.候補者の選抜
誰を育成するかが決まれば、
育成方針や具体的な取り組みを決めやすくなります。
選抜方法として自薦、他薦、
また選抜基準として実務能力や上司の評価、
将来のポテンシャルなどを考えた選抜も方法としては1つですが、
これら方法や基準には"絶対のもの"
があるわけではないため、
自院に合った選抜方法や選抜基準を見つけていきましょう。
3.ストレッチアサインメント
ストレッチアサインメントとは
「達成が困難と思われる仕事をあえて任せることで、
その人の潜在能力を呼び起こし、急激な成長を促すことです。
成功すると、
仕事を与えられた本人は大きな自信を得ることができます。
また、仕事を与える側としては、そのスタッフが
「難易度の高い仕事に粘り強く取り組み、問題を解決できる人材」
であることがわかり、次世代リーダー候補者の見極めにもつながります。
ストレッチな仕事の経験で人の成長は加速します。
「次世代リーダーの候補者だから」ではなく、
ある程度の経験を積んだ社員に対しては、
ストレッチアサインメントを課すことを
日頃から意識しておくとよいでしょう。
成長イメージの共有
Posted 2022年03月25日 by
北野です。
4月から新入社員が入ってくる。
ここ数年の新人動向を踏まえて、今後必要になってくると思われる対応を考えてみたい。
まず感じるのは、新人獣医師の「こうなりたい」と思う成長イメージレベルの低下傾向である。
病院側としては、1人前(一人で診療、不妊手術程度、初期の緊急対応が可能なレベル)にしてあげようと思って教育を行うが、新人獣医師の成長イメージレベル以上を初めから期待してしまうと、イメージのズレによる齟齬が起きてしまう。
先輩が良かれと思って行っていることが、実は相手を追い詰めてしまっている、ということにもなり得るのである。こうなると、先輩・新人ともに不幸だし、病院全体にとっても疲弊感が漂ってくる。
もちろん相手のイメージレベルで留まらせることが良いわけではないが、どの新人も一律の成長イメージを持っているわけではないということを理解しておきたい。(もちろん初めからイメージレベルが高い新人もいる。)
また、新人自身も順調に成長しているタイミングと、伸び悩んでいるタイミングとでは、成長イメージの高低に大きな差が出てくる。
上手くいっている時は「もっとできるようになりたい!」と思うだろうし、自信を無くしている時は「ここまでで十分」と思うかもしれない。
そのため、新人教育を行う上では、その時々の新人の成長イメージと今の状態を把握しつつ、教育スケジュールの柔軟な変更を検討することが望ましいと考えている。
小さな成功体験を積み重ねさせれば、成長イメージは徐々に高くなっていくだろう。以前に比べると細やかなケアが必要になるが、その分ハマればより定着にも繋がりやすい。
4月からの新人教育を考えていただきたい。
新スタッフの受け入れ準備
Posted 2022年03月22日 by
3月も後半に入りました。4月に新しくスタッフが増える病院様は、しっかりと迎えられる準備は整っているのでしょうか?
すでにアルバイトで勤務をスタートしてる病院様などは、
そのままアルバイトの延長のような形で新社会人をスタートさせてしまうケースがありますが、
迎え入れる準備ができていないと歓迎されていないのだろうか不安にさせてしまいます。
新生活に期待を膨らませているスタッフをがっかりさせないよう、準備のできていない病院様は、
残り10日で、できる限りの準備をしましょう。
●制服、ロッカー、名札の準備は大丈夫?
長く続くかわからないからと、支給された制服が全て過去のスタッフの制服というのは避けましょう。
数枚は新品の制服を用意しましょう。
また、サイズがわからいからと来てからでいいやというのも段取りの悪さを感じます。
サイズは入社前に確認し、サイズの合った制服を用意しましょう。
ロッカーも掃除ができていない、空いている所を使ってといった対応がないようにしましょう。
●教育スタッフ、マニュアルの準備は大丈夫?
行き当たりばったりの教育は、新スタッフを混乱させて原因になり、教育漏れも多くなるので、結果成長スピードが遅くなります。
教育に入るスタッフは、マニュアルを今年バージョンに更新して、教育内容、教育方針を共有しておきましょう。
●雇用条件、雇用契約書の準備は大丈夫?
「採用のときに求人を見てるでしょ」では少し雑過ぎます。
自分の給与や勤務時間をしっかり把握していない新卒スタッフは多いです。
特に、給与に見込み残業が含まれている、変形労働制を導入しているといった場合、
それを理解してなく、残業代が支払われていないと病院に対し不信感を持ち、退職につながるケースもあります。
雇用条件はしっかり伝える場を設けましょう。
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