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カテゴリー: 動物病院の経営
リファラルマーケティング
Posted 2025年12月15日 by
北野です。
最新セミナーでも紹介しましたが、今後の動物病院におけるマーケティングで重要だと考えているのが、「リファラルマーケティング(紹介マーケティング)」です。新規獲得策が難しくなっている背景を踏まえて、“信頼できる人からの紹介”というシンプルで強力な行動誘導が、大きな成果をもたらすと考えて活かす。
リファラルマーケティングと連なる考え方に、特にサービスの成長段階を表す「AARRR(アー)モデル」というものがあります。このモデルは、Acquisition(獲得)→Activation(活性化)→Retention(継続)→Referral(紹介)→Revenue(収益)という5段階で構成されています。
つまり、リファラルが実現しているということは、サービスや商品がすでに「顧客に支持されている状態」に達していることを意味します。そして、紹介が起これば、収益化(Revenue)という最終段階への移行もスムーズになります。
リファラルマーケティングの本質は、関係者すべてが“得をする”仕組みにあります。紹介をする側、紹介される側、そして病院側の三者がWin-Win-Winになることが重要です。
紹介者にとってのメリットは多岐にわたります。まず、自身が選んだ商品を人に紹介し、その人が喜んでくれることで自己肯定感や満足感が高まるという点。そして、紹介される側との関係性も深まります。インセンティブ(特典)を紹介者とゲストの双方に提供すれば、紹介のハードルもぐっと下がります。
ゲスト側にも明確なメリットがあります。信頼している知人からの具体的な体験談が得られ、選択への不安が軽減されるからです。さらに、紹介経由の限定特典があれば、「せっかくなら紹介から」という気持ちも自然と生まれます。
リファラルマーケティングにはいくつかの型がありますが、代表的なものにインセンティブ式とアンバサダー式があります。
インセンティブ式は、紹介者とゲストの双方に特典を提供するもっともポピュラーな方法です。特に、紹介者がユーザー本人である場合に強力な効果を発揮します。「紹介者:1000円分のポイント」「ゲスト:初回購入10%オフ」のような形で、紹介の動機を明確にすることがポイントです。
一方、アンバサダー式は、紹介実績のある顧客を「ブランドの応援団」として公式に任命し、継続的に紹介活動を依頼する方法です。報酬としては、限定イベント招待や新商品の先行体験、称号の付与など「名誉性」に訴える形が効果的です。ときには、アンバサダー同士がコミュニティを形成し、新たな紹介の連鎖を生むこともあります。ネスレの「ネスカフェアンバサダー制度」などはこの好例です。
「1:5の法則」「5:25の法則」に象徴されるように、新規顧客の獲得には既存顧客の維持に比べてはるかにコストがかかります。だからこそ、既存顧客との関係を深め、信頼関係の中から紹介が生まれる仕組みを整えることが、長期的な成長戦略として最も健全です。
リファラルマーケティングとは、単なる「紹介キャンペーン」ではなく、顧客との関係性を軸にした“信頼の延長線上にある取組”です。これからの時代、顧客が顧客を連れてくる仕組みを整えることがの成長力を左右する鍵となっていくと考えています。
見えないものを見ようとして
Posted 2025年12月11日 by
先日、動画クリエイターの対談動画を見た。
その中で、「見えない指標の大切さ」について話していた事が興味深い。
動画の世界には、視聴回数、視聴時間、コメント数、問い合わせ数など見える数字がある。
それら数字から、動画としての価値や宣伝効果など踏み込んだ数字がでてくる。
しかし、その動画クリエイターはその先の見えない数字や評価を予想したり、追うべきであると話していた。
例えば、視聴者の期待値の変化、ターゲットとしているユーザーの心理的変化、長期的なマーケティング結果への影響などがあたる。
これは動物病院でも言える事でもある、飼い主様からの期待の変化、飼い主様やスタッフの行動変化、長期的な来院などへの影響などである。
これらは、日々の診察の様子や複数のデータから分析しないと導けないものである。
バタフライエフェクトではないが、小さいな変化に気が付いていきたい
スタッフの強みを引き出す小さなヒント
Posted 2025年11月28日 by
スタッフや飼い主さんと接するとき、無意識に受け取られる印象を理解しておくと、コミュニケーションがぐっとスムーズになります。その手助けになるのが相貌心理学です。顔立ちや表情の特徴から、どのように見られやすいかを統計的に読み解く心理学で、スタッフの評価やチーム理解のための補助的なツールとして使えます。型にはめるものではなく、あくまで判断の参考です。
顔立ちによって受け取られやすい印象は違います。シャープな顔立ちは知的な印象を与えやすく、ふっくらした顔立ちは親しみやすい印象を与えやすい。こうした傾向を理解することで、接し方や指示の出し方を工夫し、評価や信頼関係をスムーズにすることができます。また、トラブルやクレーム対応の際も「こういう印象があるかも」と一呼吸置くだけで、対応の幅が広がります。
私たちの仕事でも同じです。日々の小さな声かけややり取りが、チームや患者様の行動に影響を与えます。相貌心理学はその補助ツールの一つに過ぎませんが、ちょっとした気づきや配慮が、信頼関係を深め、コミュニケーションをスムーズにするきっかけになります。小さな工夫がスタッフや患者様との関係をより良いものに変えるのです。
顔や表情はチーム理解のヒント。経営者はそれを使ってスタッフの強みを引き出し、信頼関係を育てることができます。あくまで補助ツールとして活用し、現場での判断や対応を支える知識として持っておくと、より安心で柔軟なチーム運営が可能になります。
荒れたSNSに希望の光 ― 小さな言葉が大きな支援へ
Posted 2025年11月25日 by
「発信の場は荒れてしまった」と感じることがあります。
しかし先日、そんなSNSで思わず心が温まる出来事がありました。
がんと闘っていた22歳の方が、最期にユーモアのある投稿を残したところ、
多くの方がその投稿に共感し、「香典代わりにがん研究への寄付を行う」
結果として、国立がん研究センターをはじめとする研究機関への寄付が
SNSは時にネガティブな印象を与えますが、
この事例は「発信が人の行動や支援につながる力」を改めて示しています。
一人の言葉が、多くの人の心に届き、社会的な支援の波を生むのです。
私たちの仕事も同じだと思います。
診療やスタッフ間のやり取り、院内外への情報発信の中で、誠実で温かい言葉が、
誹謗中傷が目立つ時代だからこそ、私たちは「言葉の力」を信じ、ポジティブな発信を
小さな一言でも、誰かの支援や行動につながる可能性があるのです。
クリニックと保育園の上手なコラボ
Posted 2025年11月20日 by
ある保育園では、出産前の母親や父親(プレママ、プレパパ)を対象に沐浴体験会を実施している。
講師はクリニックなどの助産師に依頼して行っているが、併せて保育園が行っている活動を紹介したり、使用しているベビーセンサー(体動センサー)などお見せし、安全策も紹介している。
プレママ、プレパパにとっては、保育園探しや保育園見学のアポイント取りなどの手間が減り、好評のようだ。
クリニックと保育園の上手なコラボの事例だと感じる。
気づかぬうちに噓情報を信じる恐怖
Posted 2025年11月19日 by
先日あるネット回線の企業が、AIの利用者が気づかぬうちに嘘情報を信じ込む可能性があるという調査報告をした。
その企業は、20~50代の男女にAIの利用用途を調査したところ、約6割の人が「情報収集や調べもの」と回答した。
そして、AIが回答時に嘘情報を入れてしまう「ハルシネーション」という現象ついて調べたところ、7割程度の人が「知らない」と回答した。
つまり、AIを使って情報収集や調べものを使っている人が多いにも関わらず、その答えが嘘情報だと気づかず信じてしまう可能性がある。
グーグルでも近年の検索結果にAIを用いた概要が表示されるようになったが、必ず出典元のサイトを明記するようになった。
AIの力を妄信せず、必ず出典を確認する癖をつけてもらいたいと思う。
同年代による刺激
Posted 2025年11月13日 by
約40年ぶり? 労働法の大幅改正か
Posted 2025年11月07日 by
労働法が大幅に改正される事が検討されている。
まだ2025年秋の時点で、法案として成立しているわけではなく審議会などで審議されている段階ではある。
今後、改正として検討されているものは以下である。
・法定休日の特定義務
・勤務間インターバル制度の義務化
※勤務終了後から次の勤務開始まで11時間を確保する。例えば残業などで21時に勤務終了したら、翌日は8時以降しか勤務開始できない。
・有給休暇の賃金算定における通常賃金方式の原則化
・つながらない権利に関するガイドラインの策定
※労働時間外の電話やメールなどの連絡に対する応答を拒否できる権利
・法定労働時間週44時間の特例措置の廃止
※現在、常時10名未満の小規模事業場は、特例として週44時間の勤務が認められている
など
動物病院業界にとっても、影響を受けるものが多々ある。
現段階で対応すべき事ではないが、本格的に法案が成立した際は対応を迫られる。
今から準備しておくか、成立してから対応するか検討してもらいたい。
小さな兆候と時代の流れ
Posted 2025年11月02日 by
先日、医療グループの責任者の方と話す機会があった。
介護施設の買収した後の苦労、へき地での医師不足の話など話す事ができた。
大きな経営母体であっても、医師不足や経営難により大学に買収するというケースもある。
様々な小さな兆候が、起こり始めている時代ともいえる。
その小さな兆候を一つ一つアンテナをはって、時代の流れにのっていければと思う。
レガシーを遺せるか
Posted 2025年10月31日 by
元トヨタ自動車の会長である神谷 正太郎 氏は経営者の段階について、以下のような言葉を遺している
第1段階:社長個人でお金を儲けようとする時期。
第2段階:会社として利益を生み、蓄積を考える時期。
第3段階:売上高や社員を含めて、会社全体を大きくしたいと願う時期。
第4段階:人や組織作りに一生懸命になる時期。
第5段階:業界や、世の為、人の為に尽くす時期。
第6段階:死んだとき悪口をいわれないように努める時期
規模感に違いはあれど、第4,第5段階にいる院長先生が多いように感じる。
私自身、ほんの少しではあるが経営者でいた時プロデューサー的な方から、こんな言葉をよく言われていた。
「自分が死んでも天国にお金は持っていくことはできない。でも、思い出や功績だけは持っていくことができる。そして、功績の中で後世の人々のためにレガシーを遺すことを大事にしなさい」
前職でかかわった偉大な方でも、80歳という年で後世の人々のために、持続可能な世界を作るための活動や称える賞を作ったりしていた。
獣医療や経営者として成功している方も多くいるだろうが、ぜひレガシーを遺すような事に興味があれば実行いただきたいと思う。
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