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機能価値と体験価値
Posted 2022年02月04日 by
北野です。
最近、今後の動物病院ってどうなるんだろう?
ということを考えている。
そのヒントとなる話題を見つけたので共有したい。それは、ソニーが発表した電気自動車の話。
CES 2022という展示会で発表された内容にて、コンセプトカーの発表があった。
その中に、開発における重点領域として、下記の3つが発表されていた。
・「Safety(安心安全なモビリティー)」
・「Adaptability(人に近づき、共に成長する)」
・「Entertainment(モビリティーエンターテインメント空間の進化)」
この中には、車によくある機能的な価値は出てこず、むしろ、車で移動中の体験価値を高めるという点に重点がおかれているようにみえる。
運転が趣味の人は別にして、多くのドライバーは車ごとのスペック差には気付くことができないだろうし、どの車も大きな差はない。
また、どこかの自動車メーカーが新機能を開発しても、すぐに他社から似たような機能が付加されることにもなる。
機能的な価値は一定以上の技術や開発力、財力さえあれば模倣可能なものであり、差別化可能期間は短くなっている。
こうなると、一定の機能価値を提供しつつ、そこで過ごす体験価値をどう提供するかが差別化要因になるだろう。
では、自社単独で機能価値と体験価値の両方を開発・提供していくのだろうか。
ソニーの場合は体験価値の開発を主に行い、車体などの機能価値は専業メーカーとの共同開発になるだろう。
機能価値に秀でている企業は体験価値を提供できる企業と組み、体験価値に秀でている企業は機能価値を提供できる企業と組む、という流れになるも思われる。
動物病院において考えてみると、診療技術や医療機器、経験値などが機能価値、待ち時間の過ごし方、予約の便利さ、情報の取得し易さなどが体験価値となるだろう。
院長自身が機能価値に重点を置いているならば、院内外から体験価値に秀でた人間を探してくることが求められてくるだろう。
こうなると、獣医師や看護師、トリマーなどの職種に従事する人員からも、機能担当と体験担当というような役割分担も進むかもしれない。
あるクライアント様と電子カルテと連動したアプリ開発を検討しているが、動物病院業界は機能価値に重点を置いてきた業務であり、体験価値にリソースを割けている病院はほぼ皆無である。
この先、動物病院の二極化が明確に進むことになるが、機能価値か体験価値のいずれかに秀でるようにならないと残念ながら成長は鈍化していくことになるだろう。
逆に大規模病院に囲まれていようとも、体験価値が優れていることにより、選ばれる病院になれる可能性も大いにある。
自院の置かれている状況を踏まえ、着手して頂きたい。
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