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科学的に証明された「手書き」がもたらす3つの効能
Posted 2025年08月05日 by
鳴り止まない電話、ひっきりなしの来院受付、そしてPCでのカルテ入力…。気がつけば、1日の大半をデジタル画面の前で過ごしている、という方も多いのではないでしょうか。もちろん、電子カルテや各種ツールは今や診療に欠かせないものです。しかし、効率化を求める一方で、どこか思考がまとまらなかったり、スタッフとの些細なすれ違いに悩んだりすることはありませんか?
実はその解決のヒントが、最もアナログな行為である「手書き」にあるかもしれません。今回は、科学的にも証明されている「手書きの効能」を、動物病院の日常業務に当てはめながらご紹介します。
効能1:学習効率が劇的にアップ!
新しい治療法や薬の知識を学ぶため、学会やオンラインセミナーに参加する機会も多いことでしょう。その時、ノートPCでメモを取っていませんか?もちろんタイピングは速くて便利です。しかし、記憶の定着という点では、手書きに軍配が上がります。
ノルウェー科学技術大学の研究では、学生に手書きとタイピングをしてもらい脳波を測定したところ、手書きをしている時は脳全体が活性化するのに対し、タイピングで活性化する領域ははるかに小さかった、という結果が出ています。これは、手書きが単なる作業ではなく、ペンを握り、紙に押し当て、文字の形を思い出しながら書くという、複数の感覚を使う複雑な知的活動だからです。
PCでのメモは、話された言葉をそのまま打ち込む「書き写す」作業になりがちです。しかし手書きの場合、話すスピードに追いつけないため、自然と自分の頭で情報を要約し、重要なポイントを整理しようとします。この「まとめる作業」こそが、知識を単なる情報ではなく、使える知恵として脳に刻み込む鍵なのです。
≪こんなシーンで≫
- セミナーの内容を、ただ書き写すのではなく、簡単な図や矢印を交えて手書きでメモする。
- 院内勉強会で、教わったことをA4一枚に手書きでまとめてみる。
後から見返した時、PCの無機質な文字よりも、自分の手で書いた文字や図の方が、その時の思考やひらめきまで鮮明に思い出させてくれるはずです。
効能2:思考が整理され、良いアイデアが生まれる
「新しい集患施策を考えたい」
「院内の業務フローを改善したい」
院長先生やリーダーの立場にある方は、常にこうした課題と向き合っていることでしょう。しかし、PCの前で唸っていても、メールやチャットの通知に邪魔されて、なかなか集中できないものです。一方で、手書きのノートは、インターネットにつながっていません。だからこそ、誰にも邪魔されず、自分自身と深く対話できます。
頭の中のモヤモヤを、まずは紙に書き出してみませんか?「手書き」の"遅さ"や"制限"が、逆に思考を深めてくれます。一つひとつの言葉を選びながら書くことで、本当に大切なことが見えてくるのです。
≪こんなシーンで≫
- 来年の病院の目標やビジョンを、誰にも見せないノートに自由に書き出してみる。
- スタッフ教育や業務改善について、マインドマップを使って手書きでアイデアを広げてみる。
- 朝礼前の5分間、今日やるべきこと(To-Doリスト)を手書きで書き出し、頭を整理する。
効能3:温かみが伝わり、コミュニケーションが円滑になる
動物病院の仕事は、医療技術だけでなく、コミュニケーションが非常に重要です。飼い主様へのインフォームド・コンセント、そしてチームで動くスタッフ間の連携。ここでも手書きが力を発揮します。
対飼い主様:安心感と理解を深める
手術や病状の説明をする際、PC画面のデータを見せるだけでなく、簡単な体の図やイラストを手書きで描きながら説明するだけで、飼い主様の理解度は格段に上がります。一生懸命に書いて説明する姿は、言葉以上に「この先生はしっかり向き合ってくれている」という安心感と信頼感につながります。
対スタッフ:チームの結束力を高める
忙しい業務の中では、つい指示や連絡もデジタルで効率的に済ませがちです。しかし、そんな時代だからこそ、手書きのひと言が心に響きます。
- 後輩スタッフの頑張りを労う「〇〇さん、いつもありがとう!」と書いた小さな付箋。
- 院長からスタッフへ、今月の目標達成を祝う手書きのメッセージカード。
たったこれだけで、職場の空気は温かくなり、「また明日も頑張ろう」という気持ちが生まれます。これは、どんな高価な福利厚生にも勝る、最高のチームビルディングかもしれません。
今から、ペンとノートを用意しませんか?
デジタル化が進む現代において、手書きは一見、非効率で時代遅れに見えるかもしれません。しかし、手書きの時間は、脳を活性化させ、思考を深め、人の心を繋ぐ「創造的な時間」です。
命と向き合うストレスの多い現場だからこそ、一日の終わりに5分、今日感じたことをノートに書き出すだけでも、心が整理される「精神的な治癒効果」があることも分かっています。
明日から、お気に入りのペンと小さなノートを白衣やスクラブのポケットに忍ばせてみませんか?その小さな一歩が、先生ご自身、そして病院全体を、より良い方向へ導いてくれるはずです。
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