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「あえての不便さ」が顧客体験を豊かにする

Posted 2025年09月16日 by snc_editor

「使いやすさ」は本当に正解?

 

「焼肉きんぐ」や「丸亀製麺」が、なぜこれほどまでに成功しているのかご存知でしょうか?


その裏側には、「あえて不便にする」「あえて待たせる」という、一見すると非常識な戦略がありました。これは、顧客満足度を上げ、客単価を向上させるための巧妙なサービス設計です。


今回は、これらの事例を参考に、動物病院のサービスを再考してみましょう。

 


「あえての不便さ」が顧客体験を豊かにする

 

事例①焼肉きんぐ:全メニューを見せるタッチパネル

焼肉きんぐの店内にあるタッチパネルには、一般的な飲食店にある「お肉」「サラダ」といったジャンル別のタブがありません。お客様は注文するために、メニュー全体を上から下までスクロールして見ることになります。これは、あえて「使いやすさ」を追求していない設計です。

 

その目的は、「お客様に全メニューを見てもらう」こと。これにより、お客様は当初考えていなかったメニューにも目が留まり、「これも美味しそう!」と追加で注文するきっかけが生まれます。結果として客単価が上がり、お客様は新しい発見に満足して帰っていくのです。

 

事例②丸亀製麺:天ぷらのついで買いを促す会計レーン

丸亀製麺もまた、独特なサービス設計で成功しています。うどんを受け取った後、お客様を必ず天ぷらやおにぎりの陳列棚の横を通って会計へ向かわせます。また、会計レーンは1つのため、基本的には会計待ち時間が発生します。あえて会計を並ばせることで、お客様が「並んでいる間に目にする天ぷらのついで買い」を促しているのです。

 

「うどんだけにするつもりだったけど、美味しそうだから…」と、ついつい手が伸びてしまいます。お客様は、温かいうどんだけでなく、揚げたての天ぷらを食べるという、より豊かな食事体験を得られるわけです。

 


動物病院のサービスに「あえて」を導入するなら?

 

焼肉きんぐや丸亀製麺の事例から学べるのは、「効率化」や「便利さ」の追求だけが、必ずしも顧客満足度や利益に繋がるとは限らないということです。飼い主さんとの深い関係性を築くために、「あえて」の視点を取り入れてみましょう。

 

①受付の「あえて」

 飼い主様がスムーズに受付を済ませられるよう、自動受付機を導入している動物病院様も増えてきています。しかし、「受付時に本日のお悩みを入力してください」という項目をあえて手入力にすることで、飼い主様が「そういえば、最近〇〇の調子も悪いな」と思い出すきっかけを作り、潜在的なお悩みを引き出せるかもしれません。

 

②診察の「あえて」

多くの獣医師は、飼い主様の主訴から診察を進めます。しかし、「今日はワクチンのことでお越しですね。でもせっかくなので、最近気になっていることはありませんか?」と一歩踏み込んで問診することで、飼い主様が口にしなかった潜在的な不安や問題点を発見し、より包括的なケアを提案できます。

 

③物品販売の「あえて」

新しいフードやサプリメントを提案する際、商品を渡すだけで終わらせていませんか?単なる商品販売ではなく、飼い主さんの課題解決をサポートする目的で、あえて商品を渡す際に「今日から始める3つのステップ」といった具体的な使い方を口頭で説明してみましょう。「ただ買っただけ」という感覚から、「この病院と一緒に課題を解決していく」というパートナーシップへと意識が変化します。

 


「使いやすさ」だけが正解ではありません。「飼い主様と患者さんに何を体験してほしいか?」という視点を持つことが、顧客満足度を上げ、客単価やリピート率向上に繋がる鍵となります。

 

「焼肉きんぐ」や「丸亀製麺」の戦略は、お客様に「この店でしか味わえない満足感」を提供するための工夫であり、それは動物病院においても同じです。

 

あなたの動物病院では、どんな「あえての不便さ」が、飼い主様と患者さんとの関係性を深めるきっかけになるでしょうか?ぜひ一度、自院のサービスを俯瞰して考えてみてください。

カテゴリ: マーケティング黒澤

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