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スタッフの「やりがい」が、飼い主様の「安心」に変わる時

Posted 2025年08月04日 by snc_editor

スタッフの接遇やコミュニケーションスキルを向上させるために、どのような取り組みをされていますか?

 

今年6月、セブン-イレブンが第3回目となる接客技術を競う全国大会を開催し、その様子がニュースになっていました。年々規模が拡大しており、今年は全国のスタッフの中から選ばれた精鋭たちが、その頂点を目指して技術を競い合ったそうです。また、日本マクドナルドでも「AJCC」というクルーの技術コンテストを50年近く毎年開催しています。全国に店舗網を持つ大企業だからこそできる、壮大な取り組みですよね。

 

「素晴らしいけれど、個人の動物病院で全国大会なんて、とてもじゃないけど真似できない…」

そう思われるのも、もっともです。しかし、ここで本当に注目すべきは、大会の「規模」ではありません。その「目的」です。

 

 

なぜ、大企業は「コンテスト」を毎年行うのか?

セブン-イレブンのような企業がこの取り組みを継続する狙いは、単なる技術向上だけでなく「従業員の定着率を高める」ことにあります。スキルを評価する大会や制度を設けることで、スタッフの「やりがい」を高める、というわけです。

 

これは、心理学でいう「内発的動機づけ」、つまり「やらされ感」ではなく「自らやりたい!」という気持ちを引き出す仕組みです。

 

この「やりがい」の源泉となるのが、

  • 自律性:「自分で考えて行動できた」という感覚
  • 有能感:「自分ならできる」「貢献できた」という感覚

です。

 

大企業の取り組みは、まさにこの「自律性」と「有能感」を育む、非常に優れた仕組みなのです。

 

 

動物病院における「やりがい」とは?

この話はそのまま動物病院にも当てはまります。

周辺に競合の病院が増え、医療設備だけでの差別化が難しくなる中で、飼い主様が病院を選ぶ決め手は何でしょうか?

 

それは、的確な診断や治療はもちろんのこと、

「不安な気持ちに寄り添ってくれた」

「うちの子の名前を覚えていて優しく声をかけてくれた」

「説明がとても丁寧で分かりやすかった」

といった、スタッフ一人ひとりの対応ではないでしょうか。

 

サービスの現場では、やる気に満ちたスタッフによって、飼い主様の満足、そして何より「安心」が生まれます。スタッフ満足が、飼い主様満足を生み出すのです。

 

 

全国大会はできなくても、私たちの病院でできること

問題は、それを「いかに実現するか」です。「飼い主様満足が大事」「スタッフ満足が大事」という掛け声だけでは、何も変わりません。全国大会はできなくても、スタッフの「自律性」と「有能感」を育み、やりがいを引き出すための仕組みは、必ず作れます。例えば、このような取り組みはいかがでしょうか。

 

1.院内ロールプレイング大会

月に一度、診療後の短い時間を使って、持ち回りでテーマを決めてロールプレイングをしてみる。

  • 「初めて子犬を飼った飼い主様への対応」
  • 「手術を控え、不安が強い飼い主様への説明」
  • 「お叱りを受けた際の初期対応」

獣医師、愛玩動物看護師、受付がチームになり、それぞれの立場からどう動くかを見せ合うことで、個人のスキルアップだけでなく、チーム医療の質も向上します。

 

2.「ありがとう」の可視化

飼い主様からいただいた感謝の言葉(アンケートや会話など)を、院内のバックヤードに掲示して共有する。また、スタッフ間でお互いの良い動きに対して「サンクスカード」を渡し合うのも良い方法です。自分の仕事が誰かの役に立っていると実感でき、大きな「有能感」につながります。

 

3.小さな表彰制度

「今月のMVP」「ベストスマイル賞」など、院長先生からささやかなプレゼントと共に表彰する。頑張りや成長が「認められている」と感じることは、何よりのモチベーションになります。

 

 

悪循環を断ち切るために

「人手不足で忙しい」

「コストをこれ以上かけられない」

そのお気持ちは痛いほど分かります。しかし、だからといってスタッフの教育やモチベーション向上のための投資を後回しにすると、どうなるでしょうか。

 

多忙・人手不足
→ スタッフの疲弊・スキル低下
→ サービス力の低下
→ 飼い主様の不満・来院数減少
→ 経営圧迫」

という、恐ろしい悪循環に陥ってしまう危険性があります。

 

この悪循環を断ち切り、地域で選ばれ続ける動物病院になるために、今こそスタッフの「やりがい」に投資することが必要です。

セブン-イレブンやマクドナルドの壮大な取り組みから私たちが学ぶべきは、「スタッフの成長とやりがいを育む仕組みこそが、最高の顧客満足を生み出す」という普遍的な哲学です。

自院に合ったやり方で、ぜひ今日から小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

カテゴリ: マネジメント黒澤

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