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カテゴリー: 黒澤
ビジネスホテルの朝食選択システムから考える無駄の削減
Posted 2022年10月11日 by
あるチェーンのビジネスホテルでは、フードロス削減のため、テレビ画面で朝食の有無を選択するシステムになっています。
テレビは入室時にオンになっているため、必ずその画面を見ることになります。
このビジネスホテルでは簡易的なバイキングの朝食が宿泊とセットになっているため、通常であれば宿泊者分の朝食を用意することとなります。
しかし、宿泊者全員が朝食を食べるわけではなく、私自身も朝食を抜くことが多々あります。
一昔前であれば、宿泊とセットになっている朝食について、わざわざ確認するということはなかったでしょう。
しかし最近はSDGsの観点からフードロスにも関心が集まり、こういう取り組みは利用者にも好意的に受け取ってもらえます。
ホテル側としても食材費の削減になります。
動物病院でも今まではサービスとして当たり前に飼い主様に提供していたものの中に、この朝食選択システムのように無駄を極力減らすきっかけがあるかもしれません。
飼い主様や動物の満足度が最優先だと思いますが、是非無駄がないか日々の仕事を振り返ってみてください。
「HOW」から「WHY」に変化したパタゴニア企業理念
Posted 2022年09月20日 by
アウトドアのウェアや用品を取り扱うブランド「パタゴニア」の企業理念をご存知でしょうか?
【1991年】
「最高の商品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」
↓
【2019年】
「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」
どちらも「環境保全」に立ち向かう強い決意が伝わります。
一方で、1991年は「どのような方法で環境問題に立ち向かうか?」という「HOW」が焦点となっていましたが、2019年は「何のために自分たちが存在しているのか?」という「WHY」へと大きくシフトしていることが伺えます。
元々、パタゴニア創業者のシュイナード氏は「製造業」と「環境保全」のジレンマを抱えている方でした。
まずは社員などを巻き込みながら、環境に対する社内革命を起こしていきます。
その後、売上の1%を環境保全に寄付したり、サスティナブルな製造基準を設定するなど、業界や社会に向けたアクションを始めていきました。
また、オーガニック食品を取り扱う会社を立ち上げ、「食」の流れの修復も試みています。
こういった様々な活動を通して、「製造業」という枠に縛られることなく「環境保全」という目的に対して自由に発想し、自信を得られたからこそ、理念をリニューアルしたのかなと感じます。
重みのある企業理念です。
2022年10月~の最低賃金アップを考える
Posted 2022年09月20日 by
皆さんご存知かと思いますが、2022年10月~最低賃金が上がります。
時給ベースで31円アップとなり、過去最高の引き上げ幅です。
2021年はコロナの影響で時給ベース1円アップだったことを考えると、引き上げ幅はより大きく感じます。
動物看護師さん、トリマーさん、受付さんは最低賃金に近い給与で雇用しているケースも少なくないため、該当の動物病院様は最低賃金を割ることのないよう、給与の見直しが必須です。
たかが31円と思われがちですが、2021年の月収に比べると、1か月あたりおよそ5000円アップ、年間では約60,000円アップすることになります。
複数人の給与見直しをしてベースアップすることを考えると、それなりの金額になります。
人件費が上がる分、無駄を省いて効率化する、コスト削減をする、値上げをするなど、検討していただく必要があるかもしれません。
カテゴリ: 評価制度・賃金制度構築黒澤
スタッフが意見を発信する場
Posted 2022年08月29日 by
スタッフヒアリングをしていてよく聞くことは、「思っていることはあるが院長先生に言えない」という意見です。
「思っていること」がマイナスの意見であれば言いづらい気持ちはわかりますが、業務改善に繋がるようなプラスの意見でも発信できていない場合が多々あります。
それは単純に「意見を発信する場がない」ことが原因であることもあります。
忙しくて日常の業務中に相談する時間がない、定期ミーティングをとる時間もない、など。
1番の解決策は上記時間を確保することですが、それが難しい場合は「目安箱」の導入を検討してください。
せっかくの業務改善の意見が発信されることなく埋もれていくのは勿体ないです。
ただし、意見を出すことは労力と勇気がいることなので、「目安箱」に意見を出してくれた人を評価するルールを作ると、意見も出やすくなります。
また、意見を出させるだけ出させてフィードバックがないと、意見を出しても意味がないとスタッフは思ってしまうので、必ずフィードバックを行うようにしましょう。
素早いフィードバックがあり改善に繋がれば、「目安箱」に意見を出すことの意義を感じてもらえるため、1番最初の意見の対応はとても重要です。
「思っていることがあっても言えない」の理由は様々ですが、「意見を発信する場がない」場合には、ご検討ください。
セルフレジ導入失敗例から考えるデジタル導入の難しさ
Posted 2022年08月29日 by
数年前から、セルフレジを導入しているスーパーやコンビニを目にするようになりました。
しかし、その一方で、セルフレジのレーンはガラガラなのに、有人レジは混みあっている場面に出くわすことも多いです。
デジタルに慣れているであろう若者ですら、セルフレジを使っている人は少ないように見受けられます。
また、あるスーパーが「従業員の人員不足により、しばらくの間セルフレジは封鎖いたします」という張り紙を貼り、Twitterで話題になっているというニュースがありました。
人手不足を解消するために導入されたセルフレジではありますが、使い方のわからないお客様への説明や対応で人員が取られているのが現状のようです。
動物病院のおいても、ネット予約システムやLINE公式アカウント、病院アプリなど様々なデジタル媒体の導入が進んでいます。
しかし、飼い主様の利便性向上やスタッフの効率化のためにデジタルを導入しているのにも関わらず、先述したスーパーのような状況になっては本末転倒です。
デジタル化は今後も進んでいくかと思うので、しっかりと精査をして正しく導入していくことが大切です。
カテゴリ: SNS・LINE活用黒澤
動物病院側に落ち度のないクレームをどう防ぐか
Posted 2022年08月01日 by
動物病院様で頻繁にお聞きする悩みの1つに「クレーム」があります。
基本的には病院側の接遇力を上げることで、クレームを減らしていくことは可能です。
しかし一方で、病院側の落ち度はないクレームというものも時に発生します。
そういったクレームが起きた場合に、病院側に落ち度がなかったことを証明するため、受付などに防犯カメラを設置する動物病院様も複数あります。
また、電話でも同様に、録音機能を付けているケースも聞きます。
クレームは起きないようにすることも大切で、防犯カメラや電話録音機能をクレーム抑止として活用するのであれば、防犯カメラを飼い主様が気付きやすい場所に設置する、電話では「このお電話はサービス向上のため録音させていただきます」といった音声を最初に流すといった手段をとれます。
クレーム対応による時間のロスと、対応スタッフの疲弊を考えると、クレーム対策にお金をかけるのも1つかもしれません。
従業員にとって快適な職場作りが「効率化」の鍵?
Posted 2022年08月01日 by
夏場のエアコンの設定温度は何℃にしていますか?
動物病院だと動物や飼い主様が来院することから、少し低めに設定していると思いますが、一般的には「28℃」と言われることが多いですよね。
姫路市役所では2019年に実証実験として、夏場のエアコンの設定温度を「25℃」に変更した結果、残業時間が大幅に減ったそうです。
エアコンの設定温度を下げた結果、光熱費は月額で7万円増えたものの、姫路市役所はおよそ4000人が勤務しており、残業時間は平均で2.9時間減りました。
人件費に換算するとひと月で4000万円相当。
より快適な環境を整えて仕事に取り組む方が、効率的と考えられます。
人手不足などから、動物病院では「いかに効率を上げるか」に悩むケースは多いです。
今回のように、エアコン代を節約するといった目先の利益を気にするのではなく、「いかに従業員が快適な環境で仕事ができるか」を考えていくことが効率化につながるかもしれません。
インボイス制度は動物病院にどう影響する?
Posted 2022年07月11日 by
2023年10月からインボイス制度がスタートします。
インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことで、所定の記載要件を満たした請求書などが「適格請求書(インボイス)」です。
インボイスにより消費税の仕入額控除を受けることが可能で、売り手側は取引相手(買い手)から求められた際には、インボイスを交付しなければなりません。
動物病院にどのように関わっていくのか、現時点での見解をお伝えします。
売上1000万円以上の課税事業者の場合、適格請求書発行事業者として登録を受けるか、受けないかは事業者判断となります。
ただし、動物病院の場合、顧客のすべてが一般の飼い主様である場合、適格請求書発行事業者として登録する必要性はありません。
ただし、ペットショップなど事業者と取引や提携をしている場合、また個人のブリーダーが来院する場合など、治療費の領収書としてインボイスを求められる可能性が高いです。
そのような方と取引する場合は、登録が必要になってくるかと思います。
とは言え、現状顧客のすべてが一般の飼い主様のみだったとしても、今後、インボイスの発行が求められる可能性は0ではありません。
そのため、適格請求書発行事業者に登録した方が良いのではないかと考えます。
来年10月スタートの制度で、まだまだ時間はありますので、自院がどうされるか検討してみてください。
人手不足対策 ~効率化の次の一手~
Posted 2022年07月11日 by
人手不足は多くの動物病院様が抱える課題です。
採用できたとしても、1人前に育てて、定着してもらうためにモチベーションを維持させることは簡単ではありません。
そこで、いかに少ない人数で効率よく業務を回すか、ということに注力されている動物病院様も多いでしょう。
ただし、効率化はどこかで限界が見えてきます。
効率化の次の一手として、外注を上手く活用している動物病院様もいらっしゃいます。
例えば、電話の自動応答システムの活用です。
看護師さんや受付さんの業務の中で、電話対応は多くの時間を占めます。
ただし、電話対応は意味のあるもの(来院や売上に繋がるもの)だけではありませんし、スタッフが対応せずとも解決する内容も多々あります。
スタッフが電話に出て対応すべき内容と、そうでない内容で振り分けてくれるのが自動応答システムです。
また、他の例では、手間のかかる調剤を外注するケースもあります。
1/8錠30日分×2種類といった調剤が仮にあったとして、作業にかかる手間や人件費は案外かかるものです。
動物病院専門の調剤を請け負ってくれる会社もありますので、こういった外注を検討してみるのも1つです。
「心理的安全性」の高い組織とは?
Posted 2022年06月20日 by
スタッフが自主的に動かない、意見を言わないというお悩みを聞くことが多々あります。
スタッフ自信に問題があることもありますが、一方でスタッフが意見を言いやすい環境が作れているかも考えてみていただきたいです。
1つの指標をご紹介します。
Googleは「チームの生産性を高めるには、心理的安全性を高める必要がある」としています。
「心理的安全性」があるというのは、組織の中で、誰もが安心して自分の考えや気持ちを話し、行動できる状態です。
「心理的安全性」を提唱した組織行動学者エイミー・C・エドモンドソン氏は組織の「心理的安全性」を測る7つの質問を挙げています。
① このチーム内でミスをしたら、きまって咎められる
② このチームでは、メンバーが困難や難題を提起することができる
③ このチームの人々は、他と違っていることを認めない
④ このチームでは、安心してリスクを取ることができる
⑤ このチームのメンバーには、支援を求めにくい
⑥ このチームには、私の努力を踏みにじるような行動を故意にする人は誰もいない
⑦ このチームのメンバーと仕事をするときには、私ならではのスキルと能力が高く評価され、活用されている
※①、③、⑤の質問は、指標が他と逆になり、否定的な回答がポジティブ傾向
自院の組織状態をチェックすると、病院側の改善点も見つかってくるかもしれません。
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