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カテゴリー: 北野

効率と正確の狭間

Posted 2022年04月08日 by snc_editor

北野です。

 

新人も入り、教育が本格化し始めている。

 

教育においては、ここ数回で何度か書いているので、そちらも参照いただきたい。今回も現場で感じることについて考えてみたい。

 

入社3年目くらいまでのスタッフをザックリと分類すると、

・仕事は速いが雑なタイプ

・仕事は遅いが丁寧なタイプ

 

の2つに分かれてくる。

 

新人の頃の特徴としては、

前者は成長曲線が比較的速いタイプ

→速い時期から比較的多くのことができる

 

後者は成長曲線が比較的遅いタイプ

→ 最初はあまり仕事ができない

 

という傾向が強い。

 

医療という特性を考えると正確性は必要だが、

経営という特性を考えると効率化も必要となる。

 

効率か正確性か二者択一でない以上、状況に応じた判断が必要となるため、仕事は速いが雑なタイプには正確性を増すための改善策を、仕事は遅いが丁寧なタイプには効率化を増すための改善策を個別に与える必要が出てくる。

 

当たり前のように見えることがなかなか改善が進まないのは、特性に応じた伝え方と改善策が伝わっていないことが大きい。

 

脳科学的には伝わるには2つのレイヤーがあると言われており、Why(物語)から入ってHowto(理屈)で伝えるということが重要とのことである。

 

脳を同心円的に見ると、真ん中にある部分は感情や理由を扱っていて、外側にいくにつれて論理や数字を扱うようになる。

 

言われたことをやらないという状態はスキルの欠如の場合を除き、「何か腑に落ちない」という心理状態になっていることが多い。

 

理屈では分かるが直感的に違和感ある状態である。脳の外側で判断しているため、真ん中に働きかけないとならない。

 

そのためには、相手の感情に働きかける必要があり、これには組織のパーパスや自身のなりたい姿などに結びつけることも有用である。

 

新人のうちから伝えておきたい。

カテゴリ: 北野従業員教育

ミニマム運営

Posted 2022年04月01日 by snc_editor

北野です。

ある会員様では、今よりも少ない人員で今以上の運営を行える体制作りをイメージし始めている。

 

採用が難しくなってきていることもあるが、高い生産性の組織作りが様々な社会環境の変化に備えることができると考えているからである。

 

特に来年4月からは動物看護師の国家資格化に伴う看護師の業務範囲の拡大によって、獣医師業務の軽減も可能になると考えている。

 

ここ数年間でデジタルツールなどへのタスクシフティングを進めてきているが、さらに人へのタスクシフティングも合わせることで、より効率的な運営ができるようになるだろう。

 

今年は例年以上に採用に関するご相談をお受けする。それらの病院は設備も医療技術も労働環境も経営方針もとても素晴らしい病院が多くなっている。かつてのような3Kに近い環境はない。

 

それでも採用に困っているということは、1つには情報発信力の弱さという点もあるが、何というか従来の延長線上での運営となっており、素晴らしいのだが旧態依然としている印象を受ける。

 

M&Aによるグループ化の進行、専門科病院の増加、病院数増加・動物頭数減、スクリューフレーション基調というダイナミックに変化している環境下では、従来型の延長ではなく相応の体制変化が必要なのではないかと感じている。

 

そもそも人を採用することだけが解決策なのか?など今まで当たり前だったことを疑うことも必要だろう。

 

高い生産性を発揮できるということは、高い成長性、労働条件の拡充など組織としての魅力をさらに高めることにも繋がる。

 

未来の採用力強化を考えるうえで、今から準備しておきたい。

カテゴリ: 北野経営計画策定

成長イメージの共有

Posted 2022年03月25日 by snc_editor

北野です。

4月から新入社員が入ってくる。

 

ここ数年の新人動向を踏まえて、今後必要になってくると思われる対応を考えてみたい。

 

まず感じるのは、新人獣医師の「こうなりたい」と思う成長イメージレベルの低下傾向である。

 

病院側としては、1人前(一人で診療、不妊手術程度、初期の緊急対応が可能なレベル)にしてあげようと思って教育を行うが、新人獣医師の成長イメージレベル以上を初めから期待してしまうと、イメージのズレによる齟齬が起きてしまう。

 

先輩が良かれと思って行っていることが、実は相手を追い詰めてしまっている、ということにもなり得るのである。こうなると、先輩・新人ともに不幸だし、病院全体にとっても疲弊感が漂ってくる。

 

もちろん相手のイメージレベルで留まらせることが良いわけではないが、どの新人も一律の成長イメージを持っているわけではないということを理解しておきたい。(もちろん初めからイメージレベルが高い新人もいる。)

 

また、新人自身も順調に成長しているタイミングと、伸び悩んでいるタイミングとでは、成長イメージの高低に大きな差が出てくる。

 

上手くいっている時は「もっとできるようになりたい!」と思うだろうし、自信を無くしている時は「ここまでで十分」と思うかもしれない。

 

そのため、新人教育を行う上では、その時々の新人の成長イメージと今の状態を把握しつつ、教育スケジュールの柔軟な変更を検討することが望ましいと考えている。

 

小さな成功体験を積み重ねさせれば、成長イメージは徐々に高くなっていくだろう。以前に比べると細やかなケアが必要になるが、その分ハマればより定着にも繋がりやすい。

 

4月からの新人教育を考えていただきたい。

 

カテゴリ: 北野従業員教育

ルールメイキング

Posted 2022年03月18日 by snc_editor

北野です。

 

マネジメント課題の一つに権限移譲がある。

 

組織として自発的に動くことを求めるのであれば、何かある度にトップや管理職に確認・指示を求められる状況は好ましくない。

 

それらを実現するためには、役職などの役割を与えるだけでは不十分で判断基準ともいえるルールを設けておく必要がある。

 

例えば、患者対応でトラブルが発生した際に、何らかの金額値引きが必要になった際、リーダークラスであれば●万円までの値引きはリーダー権限で判断してもよい、というようなものである。

 

役職という役割を与えてはいるものの、ルールが不十分であるために役職者が機能しないというケースが多い。そのため役職とルールはセットで設定することが望ましい。

 

また、ルールは組織状況により常に変化するものであるし、柔軟に変化させるべきものである。そのため全て決めきる必要はなく、必要に応じて設定していけばよい。

 

大きく構えずに小さく積み上げて対応していっていただきたい。

カテゴリ: 北野従業員教育

教育における落とし穴

Posted 2022年03月11日 by snc_editor

北野です。

 

セミナーの中でもお伝えしているが、
教育の在り方を変えていく必要があると感じている。

 

教育には
・あり方教育
・やり方教育

 

の2種類があり、これを混同しないことが望ましい。

 

また、ここ数日多くの院長先生と議論しているのが、
スタッフ個々に「どうなりたいか?」というレベル感が異なっており、
教育におけるギャップが発生していることである。

 

教育に力を入れている・真面目な病院ほど、
ここに落とし穴があるように感じている。

 

 

多くの場合、教育する側(先輩など)は、
「こういう状態になって欲しい」と思って新人へ教育を行う。

 

 

「こういう状態になって欲しい」というイメージは、
「獣医師として1人前に」「看護師として一通りの業務ができるように」と
フワッとしていることが多い。

 

従来は、教育を受ける側が「こうなりたい」と思っているイメージと
教育する側が「こういう状態になって欲しい」と思うイメージが
比較的近い状態であったため、大きな問題なく教育が進んでいた。

 

しかし、
・動物病院で働く中での診療外業務の増加
・獣医療の広範囲化
・マルチタスク化の必要性
・先輩と新人との世代感覚のズレ
・採用の難易度向上
・学生数の減少

 

など様々な要因にて、
従来の教育が通用しなくなってきていると感じている。

 

特に獣医師などは、
新人本人が「このレベルまでできれば十分」
と思っているレベルが低下しているように感じる。

 

 

先輩が新人に対して、10を目指して教育するけれど、
新人は5の状態を達成すれば十分と考えて入れば、
この差5のギャップが生じて、教育におけるミスコミュニケーションが発生する。

 

この結果、「こんなつもりではなかった」と退職に繋がる可能性もあるだろう。

 

これらを防ぐためには、
相手のイメージレベルがどの程度にあるかの確認はもちろんだし、
教育においても相手のイメージと覚える項目の連動性を伝える必要もあるし、採用時点から互いのイメージ把握に努めることも必要になるだろう。

 

採用市場が非常に激化している中で考えていきたいテーマである。

カテゴリ: 北野従業員教育

パーパスの作り方

Posted 2022年03月04日 by snc_editor

北野です。

 

先日来開催しているセミナーは過去最高の参加者数となっている。

 

今回のセミナーテーマは絆パーパス経営というものであるが、早速会員様では自院のパーパス作りが始まっている。

 

パーパスに正解はなく、各病院ごとに独自性あるほうが良いと考えているが、いざ作るとなると手が止まる方も多いであろう。

 

パーパスは環境、社会、ステークホルダーに対して病院の存在意義を表したもので、それらの対象に向けて自院が何を提供するかを言葉にしていくプロセスとなる。

 

具体的な作成手順は数回分のコンサルティングに匹敵するので割愛するが、盛り込む要素の切り口としては、

・病院名(法人名)の由来

・獣医師になろうと思ったきっかけ

・開業しようと思ったきっかけ

・今の開業地域を選んだきっかけ

・病院設計時に気をつけたこと

 

などがある。

 

これらは、過去の院長の決断という原体験を基にしたアプローチである。パーパスは現在から未来に向けた視点・メッセージなので、過去・現在・未来と繋がっていることを考えると、過去を振り返ることは非常に有用となる。

 

さらに発展的な取組としては、院長の過去の原体験を基にしたストーリーを採用に活かすことも検討している。

 

価値観が同じ人の採用に繋がればよいと思う。

 

ぜひパーパス作りにチャレンジしてみていただきたい。

カテゴリ: 北野経営計画策定

自院指標と優先順位

Posted 2022年02月25日 by snc_editor

北野です。

時流予測セミナーを開催するにあたり、
昨年売上が増加した会員様の売上データ・顧客データの分析を行っている。

その中で、犬の指標と猫の指標を作っている。

・新患で最も多い年齢
・平均来院回数(全年齢)
・平均来院回数が上昇し始める年齢
・平均来院回数の谷間年齢
・平均離脱率
・平均診療単価
・健康診断受診率平均
・フィラリア受診率平均
・ワクチン接種率の平均

などである。

これらを自院の指標と比べて、
どこから手を付けていくかであるが、

売上 = 来院数 × 来院回数 × 診療単価

という売上方程式の前から順に対応することが望ましい。

① 来院数
・新規患者数
・再診患者数

② 来院回数
・新患からの来院回数
・高頻度年齢
・離脱率
・予防離脱

③ 診療単価
・年齢別診療単価
・健診比率

となる。

自院の健康診断ともいえる指標比較にチャレンジしていただきたいと思う。

カテゴリ: 北野顧客・売上データ分析

和を以て貴しとなす

Posted 2022年02月21日 by snc_editor

北野です。

 

今回のセミナーテーマである、絆パーパス経営であるが、
その中に出てくる「和を以て貴しとなす」というものがある。

 

これは、人々がお互いに仲良く調和することが必要であり、
そのためにもよく話し合いなさい、という意味がある。

 

冬季五輪の女子カーリングが史上初の決勝進出を果たしたが、
試合中の様子を見ていると、この言葉を思い出すことが多い。

 

ピンチの時もチャンスの時も、誰かが好調の際も不調の際も、
皆で声を出して話し合い、チーム力を向上させている。

 

前回のオリンピックでは「ステイポジティブ」
というコンセプトを持って参加していたという。

 

皆がこのコンセプトを体現したことも
大きな成果を成し遂げた要因であるだろう。

 

誰もが自身の意見を言い話し合える環境は心理的安全性を高めることにもつながる。

 

これは日本人が元来もつ素養だという。
ぜひこの感覚を持って行っていきたい。

カテゴリ: その他北野

叱ると諦める

Posted 2022年02月12日 by snc_editor

北野です。

4月になると新人が入ってくる。

 

新人教育においては、教える側は「教え方」と「叱り方」を、教えられる側には「あり方」と「やり方」を、共有しておく必要がある。

 

最近、会員様でお伝えしているのが「叱り方」について。

 

褒めて伸ばすという考え方が主流になりつつあるが、ダメなものはダメと伝えて叱ることも必要である。

 

しかし、教育担当となる若手スタッフ自体が叱られた経験がないことも多く、叱り方が分からないということがある。

 

また、パワハラなどの「○○ハラ」が言われるようになり、相手にとって耳の痛いことを伝えるのに躊躇する傾向もあるだろう。

 

私も昔は愛情たっぷりにボロクソに叱られた経験もあるが、今思えばありがたい経験である。時代が違うという見解もあるが、関係性作りに努めれば問題はなくなるだろう。

 

むしろ今の主流は、「ダメなことをする」→「叱らない」→「ダメなことを繰り返す」→「諦めて相手への期待感がなくなる」→「関係性がより希薄になる」という、言わずに諦めるというプロセスに陥りやすい。

 

叱ることはリスクと考えがちであるが、叱らないことのリスクも多大にある。今一度考えておきたい。

カテゴリ: 北野従業員教育

機能価値と体験価値

Posted 2022年02月04日 by snc_editor

北野です。

 

最近、今後の動物病院ってどうなるんだろう?

ということを考えている。

 

そのヒントとなる話題を見つけたので共有したい。それは、ソニーが発表した電気自動車の話。

 

CES 2022という展示会で発表された内容にて、コンセプトカーの発表があった。

 

その中に、開発における重点領域として、下記の3つが発表されていた。

 

・「Safety(安心安全なモビリティー)」

・「Adaptability(人に近づき、共に成長する)」

・「Entertainment(モビリティーエンターテインメント空間の進化)」

 

この中には、車によくある機能的な価値は出てこず、むしろ、車で移動中の体験価値を高めるという点に重点がおかれているようにみえる。

 

運転が趣味の人は別にして、多くのドライバーは車ごとのスペック差には気付くことができないだろうし、どの車も大きな差はない。

 

また、どこかの自動車メーカーが新機能を開発しても、すぐに他社から似たような機能が付加されることにもなる。

 

機能的な価値は一定以上の技術や開発力、財力さえあれば模倣可能なものであり、差別化可能期間は短くなっている。

 

 

こうなると、一定の機能価値を提供しつつ、そこで過ごす体験価値をどう提供するかが差別化要因になるだろう。

 

では、自社単独で機能価値と体験価値の両方を開発・提供していくのだろうか。

 

ソニーの場合は体験価値の開発を主に行い、車体などの機能価値は専業メーカーとの共同開発になるだろう。

 

機能価値に秀でている企業は体験価値を提供できる企業と組み、体験価値に秀でている企業は機能価値を提供できる企業と組む、という流れになるも思われる。

 

 

動物病院において考えてみると、診療技術や医療機器、経験値などが機能価値、待ち時間の過ごし方、予約の便利さ、情報の取得し易さなどが体験価値となるだろう。

 

院長自身が機能価値に重点を置いているならば、院内外から体験価値に秀でた人間を探してくることが求められてくるだろう。

 

こうなると、獣医師や看護師、トリマーなどの職種に従事する人員からも、機能担当と体験担当というような役割分担も進むかもしれない。

 

あるクライアント様と電子カルテと連動したアプリ開発を検討しているが、動物病院業界は機能価値に重点を置いてきた業務であり、体験価値にリソースを割けている病院はほぼ皆無である。

 

この先、動物病院の二極化が明確に進むことになるが、機能価値か体験価値のいずれかに秀でるようにならないと残念ながら成長は鈍化していくことになるだろう。

 

逆に大規模病院に囲まれていようとも、体験価値が優れていることにより、選ばれる病院になれる可能性も大いにある。

 

自院の置かれている状況を踏まえ、着手して頂きたい。

カテゴリ: 北野経営計画策定

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