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【特別レポート】右肩下がりの時代でも伸び続ける経営手法とは
Posted 2017年01月13日 by
衰退期の中で成長する経営手法とは?
保守7割・革新3割は、
永続し発展し続けるための黄金比率!
革新3割を忘れている動物病院が多すぎる!
動物病院業界の今後とこれからの経営の方向性を
サスティナコンサルティング代表 藤原慎一郎氏と
取締役北野哲也氏からインタビュー!
【司会】
本日は、犬がどんどんと減少してきている2017年を迎えて、動物病院がどのような経営をしていくべきなのか?の方向性をフォーラムや動臨研でも講演され、動物病院の経営書籍を共著含めて6冊執筆されているサスティナコンサルティングの藤原代表と動物病院だけでなく、トリミングサロンの書籍執筆や業界誌連載も行っている取締役の北野氏に聞いていきたいと思います。
【藤原】
こんにちは。サスティナコンサルティングの藤原です。
【北野】
こんにちは。サスティナコンサルティングの北野です。
【司会】
藤原代表は2001年から16年間動物病院の経営コンサルティングをされていますが、2001年当時と昨今では、やはり業界をとりまく環境は変わってきていますか?
【藤原】
はい。やはり、犬頭数の減少と病院数の増加によって病院を取り巻く環境は変わってきています。2005年が一病院当たりの犬頭数が最も多かった年になりますが、2015年は2005年を100と考えると60%でした。さらに経済環境では2008年のリーマンショック、
2011年の東日本大震災、2014年の増税なども動物病院にも影響し、ライフサイクル理論でいうと現在は衰退期に入っています。
(※ライフサイクル図参照)
【司会】
衰退期ですか・・・。
【藤原】
ただ、「衰退期」という言葉を聞くとがっかりされる院長も多いのですが、業界が「衰退期」でも成長していくことは可能です。現に弊社の多くのコンサルティング先の動物病院様(以下会員様)はどんどんと成長しています。
【司会】
衰退期に業界が入っていくと、経営手法は変化していくのですか?
【藤原】
はい。今までは、なんとなく経営し、経験から実践して結果がでていた手法などが通用しなくなってきます。飼い主様も様々な動物病院を知ることができますし、まわりの動物病院も経営努力する中でどのように経営していくか?というのが衰退期における経営です。
また、保守7割・革新3割の比率で経営することが大切になります。衰退期になったからと言って過去を全否定しろとは思いません。ただ、「未来につながる革新3割」をおろそかにしてはいけないと会員様にはよくお話ししています。
【司会】
革新3割の比率で経営されている病院はまだまだ少ないのでしょうか?
【藤原】
やはり日々の診療が忙しい院長が多いので、新しいことに取り組めず、革新することがおざなりになっている動物病院様は多いかと思います。また、何から実施したらいいかわかないという院長も多数いらっしゃいます。
しかしながら、3割程度だけでも未来に向かう取り組みをしていないと環境が変化したときに対応できない状態になります。
【司会】
なるほど。3割の革新をしていくことが重要になるんですね。そのようなスタンスの中で、体系的な経営をしていくためのポイントはなんですか?
【藤原】
はい。簡単に言うと知るということをしっかりとしながら経営していくことが基本となります。動物病院の皆様も治療するときにはしっかり検査すると思います。検査をしっかりすることで、様々なことがわかってきて、原因追及から治療することで根治できますよね?
それと同じような流れで、時流や周辺の病院、診療圏の特性などの自分の力の及ばない「外部環境」と、院長の理念、飼い主様の満足度、スタッフ、診療項目ごとの関連性、売り上げに影響の高い項目など自分たちの力が及ぶ「内部環境」をしっかり調べることが大切になります。
【司会】
では、その環境を知ったうえで悪いところを改善していくことが大切だと?
【北野】
いえいえ。私たちは「良いところ」を探していきます。良いところを伸ばしていく。そして一番のものを作るということは基本スタンスです。みんなから「この病院はここが違う。ここが一番だ」というように認識してもらうポイントを作ることが大切だと感じていますが、それは、長所からでしか出てくることはありません。
【司会】
なるほど。経営と聞くと悪いところの改善だと感じてしまいますが、長所を伸ばすというスタンスなんですね。
【藤原】
はい。経営の目的は「永続すること」だと考えていますが、必要なのは①適正利益の確保②組織基盤の強化③ワクワク感です。この3つを強化していくのは長所から一番を作っていくことが一番の近道なんです。
長所は院長が認識していることと、本当に飼い主様が感じている長所は違っていたりします。また、長所を院長自身がわからないケースも多々あります。それに伴って、アンケートなどで長所を聞く場合もあります。
私たちが使用しているアンケートだと、満足度の度合いが「紹介」の切り口からわかりますし、来院経路とのクロス分析などから様々な切り口の長所もわかります。しかしながら、普通のアンケートを用いて良い点を聞くケースで注意してもらいたいのは、「スタッフの対応」が長所としてでてくるだけのケースです。
【司会】
どうしてですか?
【北野】
今までの経験でもスタッフの対応が長所として出てくるケースは多々ありました。もちろん、それはいいことですし、スタッフの対応は非常に重要です。ただ、スタッフ対応を訴求している動物病院が非常に多くなっていることと属人性が高いことがあります。ですから、スタッフ対応に加えた特徴づけが必要になります。
【司会】
なるほど。確かにスタッフ対応だけを打ち出しているようなホームページを多数みますよね。
【北野】
はい。
例えばある会員様の中には、売上に対する影響が大きなもので心臓の薬が多い病院様がありました。院長は全く意識していなかったのですが、この病院は循環器診療をひとつの差別化要素に育てています。
また、ある会員様の院長は飼い主様から説明がわかりやすいという意見を多数いただきました。その長所を磨いて「地域一番のインフォームドコンセントの動物病院」をコンセプトに磨いています。
このように、スタッフ対応にプラスできるようなことを特徴として打ち出していくことが大切になってきています。
【司会】
なるほど。長所を見つけそれを発展させていくのですね?
【藤原】
はい。その通りです。このようなアプローチ
を体系的にとっていくことが衰退期の経営には必要になります。
【司会】
体系的なアプローチというと調べて、その結果から方策を考えていくということですよね?
【藤原】
はい。例えばメニュー作りや価格改定でも調べることは非常に有効になります。ある会員様は相関関係分析からレーザー治療と耳処置の関連性が高いことがわかりました。この事から、レーザー治療と耳処置を一緒にしたパックメニュー化していくことで、受診数が前年比で120%程度伸びました。
また、売り上げに対する影響が多い項目をABC分析という手法で調べました。
売上に大きな影響がある項目を値上げした場合のシミュレーションをかけ、飼い主様も納得してもらいやすく、かつ、病院の売り上げに良い影響を与える値上げを実施している
会員様もいらっしゃいます。
【司会】
なるほど。科学的なアプローチなんですね。
【北野】
はい。特に値上げなどは勤務医さんなど内部からの反発を受けることもありますので、値上げの根拠や効果などをしっかりと数字で伝えてあげることも内部的に重要です。
価格改定により利益率が数百万円単位で大きく改善したところもあります。また、価格改定に対するクレームもほとんどなかったとも聞いています。
【藤原】
このような考え方は、先ほども申し上げましたが診療のアプローチと似ていると思います。
対処で処理するのだけではまた再発するリスクや再現性のない一時しのぎになってしまいます。根治したり、未病で防ぐためにはこのような考え方とアプローチが経営でも必要だと弊社では考えています。
【司会】
なるほど。ただ、院長一人でいろいろなことを実践するのは大変ですよね?
【藤原】
はい。院長は「経営者」「リーダー」「獣医師」という一人三役を担っています。
そのため、スタッフも一緒に参加していくようなプロジェクト制によるスタッフの企画(経営)参加など、チームとして推進力をあげることもあります。
私たちの会員様の場合は弊社コンサルタントがダイレクトメールを作ったり、求人募集ポスターを作ったり様々なことを代行するケースも多いですが、一般的にはスタッフに協力してもらうことになりますので。
【司会】
スタッフの話もでましたので、マネジメントの話も少ししていただけますか?
衰退期や今の時流ではマネジメントも変化していくのですか?
【藤原】
はい。スタッフの考えていることを知ることはもちろんですが、教育していく仕組みを作ったり、評価制度などの人事制度を作ったりするような、病院という経営体として必要なシステムを作ったりすることも衰退期では必要になってきています。
【司会】
それは、どうしてですか?
【藤原】
まず、衰退期の業界は勤務されるスタッフは不安を持っています。ドクターの開業志向が減少していることはご存知だと思います。それは、動物病院業界の未来を不安視している現象です。そのような中では、口約束だったり、徒弟制度のような昔のスタンスを、若い世代の人は不安に思います。そのような不安を解消し、病院の未来と自分の成長がつながっていくことを明示してあげることが必要だと感じています。
【司会】
なるほど。確かにそうですよね。一般的な業界では、教育システムやマニュアル、評価制度などはありますよね。
【藤原】
はい。企業動物病院も増加しているので、どんどんとそのようなシステムは珍しくなくなってくると感じています。弊社でも多くの動物病院様に人事関連の仕組みを提供しますが、院長はもちろん、勤務医や動物看護師からも、「口で言われてもよくわからなかったが、文章になって明確になった」「自分が次に成長するためには、何が必要かわかった」と現場からも満足感が高まっています。
【司会】
なるほど、確かに現場もマニュアルや教育システムにより「誰かがやめたら一からやり直し」という状況がなくなるといいですよね。
また、口で言われて求められていたことが、文章の評価制度で明確化しわかりやすくなるということもモチベーションアップになりやすいですよね。
【藤原】
はい。そうなんです。ただ誤解してもらいたくないのですが、システムだけが必要と言っているのではありません。
人財力を高めるための教育も必ず必要になります。私も今まで多くの部下の指導育成をしてきましたが、その時に感じたのは叱ることと褒めることのさじ加減が必要だということです。
よく「叱ってはいけない、誉めなさい」と言いますが、それだとワガママになるです。本当にスタッフを成長させるには、「叱って誉めること」が必要です。
【司会】
人としての成長がスタッフとしての成長につながるのですね。
【藤原】
はい。そうですね。このような視点を持った経営が衰退期にはさらに必要になってくると感じてます。
【司会】
最後に今回第43回の総合セミナーを2月と3月に開催されると聞きました。どのような内容か概略だけ教えて下さい。
【藤原】
他の業界で衰退期に入っている産業は多々あります。実は、衰退期になったからこそ前向きにできる経営というものがあるのです。そのような経営手法について、事例を交えて公開したいと思っています。
【北野】
大きな話は藤原からありましたので、私からは具体的な事例をご紹介します。
例えば、マーケティングでは皮膚治療に興味がある先生が皮膚を軸にして一点突破し、どのような発展をしていっているのかという事例や衰退期だからこそできた猫の企画、自院の長所をしっかりと伝えていく長所伸展型ホームページなど、長所を伝える様々な方法を中心にお伝えします。
トリミング関連では、サロンとの差別化を図る方法を中心として、トリマーさんの生産性を向上させる管理制度や、平均単価が1.3倍にアップしたメニュー作りと訴求方法などもお伝えしたいと思います。
マネジメントでは、役職でのくくりではなく、コミュニケーション軸で作ったチーム制度事例やモチベーションアップする教育システム、自分が認めてもらったと感じる評価制度、人材獲得難時代の正しい求人手法、ゆとり・さとり世代に対応する管理手法、長期雇用を行うための将来像の伝え方など、変わりゆく人材像に合わせた今のマネジメント手法をお伝えしたいと思います。
【藤原】
衰退期に入ったきっかけのリーマンショック以降に開業し、成長している動物病院様にはこの時期で必要な経営手法が多々存在しています。
開業15年以上経過している動物病院様にはカルテや成長期でのなど過去の財産」で経営できる人もいると思います。
しかしながら、衰退期に入って開業された動物病院様には衰退期以前の過去の財産がありません。
そのような環境の中でもどんどんと成長している弊社の会員様の若手院長をゲスト講師としてお迎えし、どのような考えで経営しているのか?どのような視点で経営を考えているのか?を講演していただきます。
これからの未来志向の動物病院経営を体現されている院長ですので、必ず、これからの動物病院経営のヒントになることを教えていただけると思いますよ。
【司会】
なるほど。確かに衰退期に入ったときに開業した動物病院様は黙っても飼い主様が来てくれた成長期の動物病院様とは環境が違いますよね。
経営努力している方向性もまた違うかもしれませんね。ゲストの講師の院長はどんな院長なんですか?
【藤原】
ゲスト講師をしてくださる会員様のことを少し紹介しておきますと東京会場の講師の辰巳台動物病院の院長永冨先生は、42歳のまだまだ若いサーファーの院長です。
スタッフと一体化してワクワクすることを非常に大切にされています。弊社で開催するディズニー視察や接遇コンテストなども病院スタッフ全員で参加され、病院全体で楽しんでいらっしゃいます。
勉強熱心で鍼灸の勉強をされていたり、色々な勉強会で勉強されています。
また、もともと残業も少なかったのですが、高齢者で早起きの飼い主様に対応するため早朝診療なども積極的に取り入れられていらっしゃいます。
自分自身も含めた病院スタッフの「ワークライフバランス」の充実を非常に熱心に考えられている新しい時代の院長だと感じています。
当日は、どのような想いから、このような病院経営を実践しているのか?これからの衰退期をどのように考えて病院を運営していくのか?などをお話ししていただけると思います。
他にも獣医師カップという獣医師だけが参加できるサーフィン大会や永富先生が企画されているブラックバス釣り大会などもご紹介いただけるかもしれませんね。
大阪会場の動物病院京都の園田先生は弊社会員様で2番目に若い37歳の院長です。
常にスピード感をもって、新しいことにチャレンジすることを大切にされています。
昨年には本院の近くに京都初となる猫専門病院もオープンされました。この分院も構想から半年足らずでオープンに至りました。
猫の肉球の見えるキャットウォークや保護活動の実施など、猫と人が楽しく暮らせるための取り組みを中心とした分院となっており、この取り組みが話題となりオープン早々からテレビ局などのマスコミの取材も多数ありました。
専門科目の充実、医療機器の導入など飼主様に信頼していただける病院作りだけでなく、オリジナルの福利厚生制度の導入・院内環境づくりなど、従業員の働きやすさにも積極的に取り組んでおられるなど、常に飼主様・スタッフの両方を考えた病院経営をされておられます。
「私のような若輩者が講師などと・・・」とご謙遜されておられたのですが、園田先生のお話はきっと多くの病院様の参考になると思い、半ば無理やり講師をお願いしました。
お忙しい先生なので、多分、お二人は最初で最後の講演になるかもしれませんね。
【司会】
なるほど。今後の動物病院経営を考える上で、楽しみなセミナーですね。是非、セミナーを多くの動物病院様に聞いていただきたいですね。
本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
【藤原】
ありがとうございました。
【北野】
ありがとうございました。
セミナーの詳細、お申し込みは下記ページをご覧ください。
http://f-snc.com/seminor/?p=1534
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